二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 青の祓魔師 〜漆黒の記憶 Dark memory〜 ( No.81 )
- 日時: 2011/12/07 17:10
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
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第10話 「愛してる」
質問タイムが終わり、授業が始まった。授業は魔法円・印章術だった。担当はシュラで前回の復習だった。
「”稲荷神に恐み恐み白す 為す所の願いとして成就せずということなし!!“」
「おいでおいで〜」
出雲は白狐を二体、しえみは緑男の幼生を召喚した。
(二人ともすごいなあ〜)
愛妙は感心していた。しかし、愛妙や他のみんなはまったく召喚できず、結局召喚できたのは、しえみと出雲だけだった。
(・・・・・あたしって、何の称号が向いてるのかな・・・・)
愛妙は他の授業で詠唱騎士、医工騎士についてやってみたが、あまり向いておらず、剣術ではシュラに「お前、全然才能ねえな」とあきれられたほどだった。
しかし、銃火器を使う授業では、愛妙は驚きの才能を発揮させた。
ドォン、ドォン、ドォン———————————————
愛妙は銃を構え、的を狙って撃ってみた。すると、どの的にもド真ん中に、百発百中で当てた。
燐、雪男、しえみなどの他の塾生たちはその光景を見て、ただただ驚いていた。しかし、一番驚いていたのは—————当の本人の愛妙だった。銃を握ったまま、呆然と的を見て立ち尽くしていた。
「———————すっごいなあ!愛妙」
「ほんとにすごいねえ。愛妙ちゃん」
燐、しえみたちから褒められていた愛妙は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにうつむいた。
その様子を雪男は黙って見ていた。
愛妙が銃の才能を発揮したのはよろこばしかった。だが、気になることがあった。的を狙って撃っているときの愛妙は——————————
(・・・まるで別人みたいだった。愛妙の姿をした誰かが、まるで撃っているような——————————)
雪男は一瞬そう思ったがみんなに褒められて顔を真っ赤にしている愛妙を見て、その考えはどこかへ消えていってしまった。
「——————————姫様、よかったね〜。こっちの姿でも銃の才能発揮して」
陰から二人組の男女が愛妙の様子を見ていた。少女は青年に話しかけた。
「ああ、そうだな」
青年は愛妙を愛おしそうに見つめていた。その様子から、
「今すぐ駆け寄って力いっぱい抱きしめたい。って顔してるよ、セイ。」
少女はいたずらそうな笑みを浮かべ、青年の顔を覗き込むような形で言った。
「だめだよ〜、セ〜イ!接触するのは《シュリュッセル》のときじゃないと!」
少女は幼い子どもを叱りつけるような口調で青年に言った。セイと呼ばれた青年は呆れたように、
「わかってるよリル。でも、君だってそんな顔をしているんだよ。知っていたかい」
焦ったようにリルと呼ばれた少女は、鏡を取り出し、自分の顔を見た。
「ふ、ふ〜んだ。いいじゃない!あたしは姫様のこと世界一大好き・・・・・ううん、愛してるんだもん!」
「■■■■■様よりもか?」
「・・・・ううん、■■■■■様は宇宙一だもん!」
「———くん、———ちゃん!授業終わったよ!」
ふいに名前を呼ばれたので振り返って見ると、遠くからしえみが青年と少女を呼んでいた。
「・・・・じゃあ行こっか!清夜お兄ちゃん!」
「ああ、瑠璃」
そして、青年と少女はドアの方へ駆けて行った。
〆 11月13日