二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 青の祓魔師 〜漆黒の記憶 Dark memory〜  ( No.98 )
日時: 2011/11/24 16:58
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)

第13話 「胸の傷」

「う〜ん。」
部屋には燐のうなり声が響き渡り、そして、シャーペンを机に置く音がなった。
 「あ〜っ!やっと終わった〜!!」
燐は課題を終わらせ、安心し、のびをしていた。その横では燐がやっとのことで片付けた課題を、雪男がまとめていた。
「兄さん。愛妙も課題を終わらせたかちょっと見てきて。」
「へいへい。」
そう言って燐は立ち上がり、愛妙の部屋へと向かった。

「お〜い。愛妙、課題終わらせた・・・・・か?」
愛妙の部屋のドアを開けながらそう言った燐は部屋の中を見た。すると、
制服から着替えている、下着姿の愛妙が目に入った。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
数秒間、沈黙していた。が、愛妙がブルブルと体を震わせているのに気がつき、
「えっと・・・・あ〜その〜・・・・・ごめん。」
燐は小さな声でそう言った。すると愛妙は目に涙を溜ながら、そばに在った、ありとあらゆる物を燐に投げ出した。
「・・・燐のバカァ〜〜〜〜!!!」
そう言ってバタンッとドアを閉めた。燐はいろいろな物が体に当たり、ドアの前に倒れていた。
「・・・何をやっているんだい・・・兄さん・・・・。」
愛妙の大声を聞いて駆けつけた雪男が、キョトンとした様子で燐に言った。
「・・・・いや、それが、その・・・・・」
燐は落ち込んだ様子で説明し始めた。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「・・・なんで兄さんはノックをしないのかなぁ?」
呆れた口調でも、怒っている様子の雪男は、仁王立ちで燐を叱っていた。
「・・・・・すんません。」
正座をさせられていた燐は、ばつが悪そうに謝った。
すると、カチャッと部屋のドアが開き、薄紫色のワンピースを着ていた愛妙が出て来た。その胸には銀の鎖を繋いだ、拳ほどの大きさのペンダントを首に提げていた。そのペンダントはダイヤの形をしており黒色————漆黒だった。ペンダントには金色の錠前が中央に描かれており、穴にはちゃんと鍵が挿せるようだった。
「ご、ごめんな、愛妙。」
燐は直ぐ様謝った。すると、
「ううん。あたしの方こそごめんね。あたしだって鍵を掛けていなかったから・・・。だから、もう気にしないで!ね。」
愛妙は優しく燐に言った。
「よかったね、兄さん。許してもらって。・・・あれ、愛妙。そのペンダントは?」
雪男は愛妙が首に掛けているペンダントに注目した。
「ああ、これは・・・・倒れていた時から身に付けていたものなの。これが何なのかはよく分からないけど・・・。」
愛妙は俯きながらそう答えた。
 「・・・そういえばさ、愛妙。愛妙ってその・・・胸に大きい傷なんてあったっけ?子どもの頃は無かったよな?」
「胸?」
ギロッと雪男は燐を睨んだ。
「いや、・・・さっき見えたんだよ!」
燐は雪男から少しずつ離れながら答えた。
「・・・・・あたしも分からないの。」
愛妙は泣きそうな声でそう言った。

———————確かに愛妙の胸には大きな十字の傷があった。そう、心臓のあたりに———————

「・・・・じゃあ、これからゆっくり思い出していこう。ね?」
雪男は優しく愛妙にそう言った。
「そうだぜ。祓魔師エクソシストを目指しながらな!」
燐も元気よく言った。
「・・・・・うん。頑張る!」
愛妙も元気を取り戻し、そう答えた。

 〆 11月21日