二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 青の祓魔師 −白光の希望 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/29 14:44
- 名前: 星礼 ◆CnDesqIk/6 (ID: 3/dSGefI)
Prologue 2
室内に入って、ぐるりと塾のメンバーを見回す。
ガラ悪そうなのが2名、メガネが1名、まろまゆ1名、和服1名。
いわゆる、カオスのかたまりだな。
俺は一番後ろの席に腰かけた。
「あ、あの!」
後ろから和服の女子に話しかけられ、俺は仕方なく振り返る。
「何?」
「わ、私、杜山しえみと言います! よろしくお願いします!」
「桜乃白月、だ。……何故和服なんだ?」
赤面症と思われる彼女は、所々つかえながら喋っており、聞き取りづらいことこの上ない。
「私、生まれてから着物しか来たことなくて…。変、ですか?」
「いや別に…。あと敬語じゃなくていいから」
「あ、うん! よろしくね、白月君」
「ああ」
杜山、とやらは普通に可愛いと思う。
そして、この塾は男女比率がおかしいと思う。
俺は一応男子として、女子2名男子5名?
あと、今存在に気付いたが、隣の机にフードを被った男子が居た。男子6名だ。
「あ、杜山」
「何? 私にできることがあれば、なんでも言って!」
「うん。この塾の人紹介してくれないか?」
「いいよ! えっと、じゃあ…」
杜山が教室をぐるりと見回す。
「しえみー? お前誰と喋ってんだ?」
「あ、この人が奥村燐。燐、こっちが桜乃白月君だよ!」
「は? ああ、よろしく」
「奥村…?」
なんか聞いたことあるような…。
あ。さっきのピンクもとい志摩とやらが確か『奥村先生』と言っていたような気が……。
「燐の弟の雪ちゃんは先生なの! ね、燐」
「お、おう!」
一目でわかる。奥村(兄)は杜山のことが好きなのであろう。
「で、何してんだ?」
「白月君にここの人達紹介してるの」
「志摩とやらは先ほど会った」
俺は、あいつのツラを見たくないがためにそう伝えた。
「ん…? なんかお前、声高くねぇ?」
奥村がそう言う。こいつ、異常に鋭いな。
「ま、まだ声変わりしてねぇだけだ」
「ふぅん…。何か女みてぇな声だな」
「な…っ!?」
失礼な。これでも最大限トーンを下げているのだ。
それなのにこいつときたら俺の努力も知らずに……
まあ、実は女だという事実がバレていないだけよしとしよう。
「ふん。んなこと言ったら奥村だって声高いじゃねぇか。…女みてぇだな」
「っんだと!? てめぇ、俺に勝てると思ってんのかっ!」
「当たり前だ。それと、俺の名前は『てめぇ』じゃない。桜乃白月だ」
俺と奥村の今にも殴り合いに発展しそうな口喧嘩に、杜山はただオロオロする。
「坊、缶ジュース買うて来たで!」
入り口から入って来たのは、あのピンク頭…志摩だった。
「ありゃ、白月。入塾初日から喧嘩か?」
ニコニコしながら志摩が近付いてくる。
「はい、白月にも買うて来たで。さっきは悪いことしたなぁ、まだ痛むん?」
「いや、先程はドアの前に立っていたのが悪い。痛みは引いたから心配するな」
「そか。あ、さっき白月のニックネーム思いついたんやけど、言ってもええ?」
「……?」
嫌な予感がする。今すぐに逃げ出したい程に。
「しらつん、ゆうんやけど…。それで読んでもええか?」
予感的中。俺は声を張り上げる。
「いい訳ねぇだろ、このピンクッッッッ!!!!」
嗚呼、俺は無事祓魔師になれるのだろうか。