二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモンBW】災厄の魔女〜凍てつく境界を統べる者〜 ( No.15 )
- 日時: 2011/11/11 15:58
- 名前: 水瀬燈夜 (ID: RHCEY5Ol)
【第1章】再会と、新たな出会い④
カノコタウンの入り口へと辿り着いたトウヤは、目の前の状況に驚愕した。そこにいたのはチェレンとベル、トウコ、そして…………半年振りに見る若草色の髪の青年の姿だった。
「…………N」
トウヤの呟きが届いたのか、青年——Nは振り返る。半年経っても変わらないその様子に、トウヤは無事だったのだと悟る。が、悠長にそんな話をしてはいられないらしい。乗ってきたとされるレシラム・ケンホロウは何者かの技を受けたらしい傷が付いており、見慣れないスワンナは2匹とは比べ物にならないくらいにまで弱ってしまっている。なるほど、これは確かに思ったよりも大変だ。ライブキャスターで聞いたトウコの話を思い返しながら、トウヤはそう思った。
「チェレン、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ。そんな哀しそうにしないでよベル」
「ああもう、何でこんなことになってるのよ!」
すぐ近くから聞こえるチェレン・ベル・トウコの会話に、トウヤは我に返る。すぐに鞄から回復の薬を出してまずはレシラムとケンホロウの傷の手当てをしてやる。2匹の傷を治した後に、ほとんど瀕死状態のスワンナに近付いた。元気の塊を出したトウヤに、Nはそっと近付く。
「久しぶり、トウヤ。半年振りかな……? 大きくなったね」
「……そうだな。ところで何でこんなにみんなボロボロなんだ?」
「……ちょっといろいろとあってね。おかげでスワンナは瀕死状態、レシラムとケンホロウ、ボクとチェレンくんも負傷したんだけど」
「何やってんだよお前ら」
呆れと怒りの混じった様子でトウヤがそう言うと、手当てが終わったらしいチェレンが口を開く。
「そのことでNがトウヤに話すことがあるんだって。“その子”のこともあるし……一回トウヤの家に行かないか?」
「…………“その子”?」
一体誰のことだろうと、トウヤは全快したスワンナを見る。スワンナはトウヤの疑問を察したのか、Nのほうを見る。促されるままにトウヤはNのほうへ視線を移す。
「…………な…………!?」
Nの腕の中には1人の人が抱えられていた。気絶しているのか、一向に目を覚ます様子がない。また、Nやチェレンといった周りが負傷しているのに対し、その人には傷ひとつ付けられていない。トウヤの視線に気付いたNは笑みを浮かべながら言った。
「……ここじゃ何だから、場所を変えて話をしないかい?」
Nのその問いかけに、トウヤは首肯した。