二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモンBW】災厄の魔女〜凍てつく境界を統べる者〜 ( No.20 )
日時: 2011/11/12 19:58
名前: 水瀬燈夜 (ID: RHCEY5Ol)

【第1章】再会と、新たな出会い⑦

「キミに頼みがある」

半年前では見ることのなかった真剣な表情で、Nがそう切り出した。トウヤだけでなく、チェレン、ベル、トウコまでもが固唾を呑んで見守っている。

「再結成したプラズマ団から、“その子”を護って欲しいんだ」

トウヤの耳には聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。驚愕で目を開いたトウヤの様子を見つつも、Nは言葉を続ける。

「ボクだけじゃ護りきれないんだよ。再結成したプラズマ団は半年前と違って段違いに強い。下っ端だけでもかなり強いから、きっとゲーチスを始めとする七賢人たちはもっと強いんだと思う。だからボクはトウヤにも協力してもらおうと思ってここに来たんだ」

「“その子”を引き渡してしまったらきっとゲーチスが企んでいるポケモンの独断支配が実現してしまうだろう。もちろんそんな計画はどうしても阻止しなければならない。そのためにはトウヤ、キミの力が必要なんだよ」

Nの必死の訴えに、トウヤは大変なことになってしまったなと密かに思った。半年前は無意識のうちに巻き込まれてしまったけれど、今回ばかりは自ら危ない橋を渡れと言われているような感じがする。

ふと、ずっと動かずに佇んでいるスワンナと目が合った。その目はかつてフキヨセシティジムで見たスワンナと同じように切れ長ではあったが、そこか哀しそうに見えた。その目は助けて、とトウヤに訴えかけていた。