二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 貴方を守りたい——12人の巫女と1人の神—— ( No.153 )
日時: 2012/01/17 15:39
名前: 雪姫 (ID: nA9aoCfQ)

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アルト「えっ?何言ってんの?私はアルトに……」
エド「お前はアルトじゃない。本物のアルトは何処だ?!」
俺の質問に偽アルトは驚きながらも、すぐに状況を理解して「ふふふ」と笑い出した。
アルト「凄いね、さすがは蠍座の巫女の心を溶かしただけあるね。
    そうだよ。私はこのスピルーンの持ち主じゃない、ただの守り人よ。
    本物アルトはこの先にある、氷の中で寝てるわ。」
偽アルトは、薄暗く光っている道の先にある小さな扉を指差しながら言っている。
守り人……あの紅色のコートを着た女がこの結晶を取ったことによってアルトと入れ替わったんだな。
アルトをこれ以上傷つけないために……。
エド「……アルトを守ってくれてありがとな。」
守り人「ッ?!!」
偽アルトにアルトを守り続けてくれた礼を言いながら俺はあの扉に向かって歩いて行った。
守り人「……蠍座の巫女が心をあいつに開いた理由が分かったかも。」
偽アルトはエドの背中を見ながら静かにそう言った。


*氷の間*

『ギィ……』
扉を開けて、中に入るとすぐにデッカイ氷があった。
氷の下にたぶん本物のアルトが体育座りをしてシクシクと泣いていた。
アルト「うっうう……なんで…」
エド「アルト……。」
泣いてるアルトにそっと近づき、声をかける。
アルト「エド……。」
涙をポロポロ流しながらアルトは俺の方を見る。
アルトの目線に合わせてしゃがむ。
エド「アルト……お前は親父の事や母さんの事の真実が知りたいんだよな?」
質問にアルトは下を向き何も答えずに頷くだけだった。
それでも俺はこれはアルトの返事だと思い話を進める。
エド「俺にもお前の親父や母さんの事は分からないが、お前の過去を見て一つだけ分かった事があったんだ。」
アルト「グスッ、分かった事……?」
下を向いて泣いていたが、親父の事や母さんの事を言うとこっちを向いてきた。


エド「お前の親父はお前の事を誰よりも大切に思って居た。
   真理で死にそうになったお前を、命と引き換えに助けたのもお前の親父だ。
   だから、親父を憎んだりするな!お前は親父に命を救われたんだ!」
俺の言葉に、考えもしなかった真実に、アルトは驚きを隠せない。
アルト「嘘……父さんは………私よりもあの女の人を…」
俺にしがみつき、アルトは驚いた顔でブルブル震えながら言う。
エド「なぁ、アルト。俺も手伝うから、一緒に真実を確かめないか?」
アルトの頭を優しく撫でながら言う。
今は全然関係ないが、アルトの髪はいい香りがするな///
アルト「本当に?信じてもいいの?」
エド「…///」
ヤバイ!涙目で頬が少し赤いアルトを見て思わずドキッてなってしまった//
俺にはウインリィがいるのに……。


エド「ああ、ほんとだ。約束する!」
アルト「ありがとう……エド…。」
『シュウゥゥゥゥ』
アルトが「ありがとう」と言った途端、シレーナの時と同じように胸のあたりが光り始めた。
もしかして、これがアルトが俺に心を開いた合図か?!
そう思った俺は、コートのポケットから、みんなの思いを込めた黄色い結晶、アルトの記憶や感情がこもった黄色い結晶、を取出し光っている中心に黄色い結晶を押し込んだ!
アルト「ッ!! いやあああああああああああああああああああ!!!」
エド「くっ。」
アルトが暴れだして、結晶が入ってくるのを拒む。
だが、俺は力いっぱい結晶を入れ込む。
そして、結晶の全体すべてを入れ終わったその時!