二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【テニスの王子様】偽りの桜 ( No.2 )
日時: 2011/11/24 19:17
名前: 桜花 (ID: lUcqHz23)

1、始まりの色

「お前は今日から"龍"だ。」

父様にそう告げられたのは約一年前。

私、桜ノ宮薄には双子の兄、桜ノ宮龍がいた。

けれど、龍はたまたまのっていた飛行機が事故に遭い死亡。
帰らぬ人となった。

生き残った私は"龍"として生きろ、と命じた。



そして私の世界から色が消えた。




それから一年。

一人称も"私"から"僕"になった。
僕は龍として人生の分岐点にいた。

「四天宝寺…。」

正門の前に立ち、校舎を見上げた。
一歩足を踏み入れれば、僕は龍として生きなければならない。
龍として生きる、ということは…。



薄は死ぬんだ…。



僕は覚悟を決めて一歩足を踏み入れようとした時。


「どいてや〜〜〜〜〜〜っ!!!!」


慌ただしい声が聞こえた次の瞬間




________ガンッ!!!ガサガサガサ・・・・・





私と彼は衝突した。

「いったたた…。」

「どいてや、言うたやんけ〜。」

うわ、関西弁。…て、こんなことで驚いてどうする。
少年は真新しい制服についた埃を落とし、尻もちをついていた僕に手を差し伸べた。

「ワイは遠山金太郎。お前は?」

「あ…僕は桜ノ宮龍。」

差しのべられた手をとり、立ち上がる。
そういえば、なぜか急いでいた彼。

「なんで急いでたの?」

「…あっ!せやった!!!クラス表見にいかな!!ほな、龍も行くで!!!」

「えっ?!」

いきなり呼び捨て?!
驚くのもつかの間。彼、金太郎君は私の手を引っ張り、走り出した。




心地よい光を浴び、

満開に咲き誇る桜の花弁が散る中を

春風と彼とともに駆け抜けた。

彼と出逢いモノクロだった僕の世界に

色がついた_______。