二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】 夢を叶えようか ( No.1 )
- 日時: 2011/11/30 17:49
- 名前: ジェクロ (ID: ubJFnUz6)
『スナックお登勢』と書かれている看板の隣に緑色の髪が特徴の人が倒れていた。
すると、そのスナックの人らしき機械が横式の扉をガラガラガラと開ける。
倒れている人を見つけ、一度無視したが、やはり気になり、じっと見つめる。
「お登勢様、家の前で人が倒れています、どうすればいいですか?」
「そこらへんに転がしておきな」
「了解しました」
女性らしき機械は、倒れている人を抱き上げ、反対側の店へと目掛けて投げた。
「排除、完了しました」
「たまぁぁぁ!! お前何してんだよぉぉッ!!」
1:「どう命令したらああなるんですか」
「すまんねぇ、うちのたまは頭がなくてねぇ」
お登勢と呼ばれた年老いた人は、タバコに火をつけた。
「お登勢様、私は頭がありますが、大丈夫でしょうか」
「そう言う意味じゃないよ」
お登勢は溜息をつく。
その前のカウンターの席に、大きなたんこぶを生やした緑の髪の人は、ムスッとした顔で傷を手当した。
「どう命令したらああなるんですか」
「そう言われてもねぇ……私は転がしておけって言っただけなんだが」
「はい、なので私なりに転がしてみました」
「いや、あれ転がしてないよね、投げてるよね!?」
たまと呼ばれた機械は、緑の髪の人のカウンターに、お茶を出した。
そのお茶を見て、緑の髪の人は溜息をついた後、お茶をすする。
「で、なんであんなところに倒れてたんだい? 昨日の客ではなさそうだし……」
「お登勢様、もしかしてこの人はあのワンピースにいる刀を持った、海賊狩りのゾロ様では」
「違いますよ」
確かに、髪色だけは似てるけど。
緑の髪の人はお茶を飲み干し、言った。
「家出して、疲れて倒れてました」
「……店の前でかい?」
「はい、店の前で」
そう言った後、お登勢が何か言おうとした瞬間、勢い良く扉が開いた。
「朝からうるせーんだよババアが! 寝れねえじゃねーか!!」
扉の前には、銀髪の天然パーマが特徴的な男がいた。
いや、今昼なんですけど。
「なんだい銀時、お目覚めかい」
「銀時様、今は朝ではなく昼です」
「どーでもいいんだよ! んな事」
いや、どうでもよくありません。
「うるせーんだよ、この緑茶男が」
「なんだとぉ!? うるせーよ天パ! 勝手に心読むな!」
「テメーが普通に言ってたじゃねぇか」
あれ、いつの間にしゃべってた。
そう思いながら睨み合ってた瞬間。
バン、と大きな音と殺気が2人を黙らした。
「うるせぇんだよ手前ら! たま! こいつ等追っ払っときな!!」
「了解しました」
たまは銀時と言う男と緑の髪の人の襟首を持ち、そして、
ボウリングの球を投げる体勢になる。
「え? ちょ、首痛いんですけど」
「たま? ご主人様の命令で首離してくれない? 銀さんは確か主人のはずなんだけど」
「銀時様が主人になった覚えがありません、たとえなったとしても、お登勢が優先です」
たま銀時の言葉を否定し、そして、
2人を大きく投げた。
——……
たま
はい、何でしょうかお登勢様
追っ払えとは言ったが、扉壊せとは言ってないよ
……あ
- Re: 【銀魂】 夢を叶えようか ( No.2 )
- 日時: 2011/12/01 17:30
- 名前: ジェクロ (ID: ubJFnUz6)
たまに追い出された(?)後、
緑の髪の人は『スナックお登勢』の上にある家に運ばれた。
2:「家に住ませてください」
「あ、新八! ボサボサのゾロが起きたネ」
「うん、分かった、そっち行くね」
ドタドタと足音が響く。
てか、ゾロじゃねーよ、そんなゾロいないよ。
何、そんなにゾロ人気なの? 確かにカッコイイけどさ。
心の中でツッコミをしながら、緑の髪の人はゆっくりと起き上がる。
「あ、大丈夫ですか? 銀さんは多分大丈夫だと思いますけど……」
「はい、大丈夫じゃないです、メガネさん」
「大丈夫じゃないんだ」
緑の髪の人は無表情のまま、また横になった。
新八と呼ばれたメガネは、
「いや、僕メガネじゃないからね、人間だからね!?」
……失礼。
新八と呼ばれたメガネをかけた人は救急箱を取り出す。
その動作と同時に、緑の髪の人は、言いたい事を思い出し、起き上がった。
「そういえば、ここは何処ですか?」
「あ、そう言えば言い忘れてたネ、聞いて驚くアル!」
チャイナ服を着た女の子は床を蹴り、堂々とした声で言う。
「ココは『万事屋 神楽ちゃん』ネ!!」
「な訳ねーよ」
突然、隣で寝ていた銀時は、チャイナ服の女の子に蹴りを入れる。
てか、いつの間に起きてた。
「あれ、銀さん、いたんですか」
「いたよ!? しゃべってなかったけど!!」
「空気になって消えたと思ったネ」
「確かに空気になってたけど、消えてないから、ここにいるから!!」
「あ、空気は認めた」
「うるせー緑茶! テメーは黙ってろ!」
俺の名前は緑茶じゃねーよ。
銀時は溜息を付いた。
「ここは『万事屋 銀ちゃん』だよ、万事屋、つまり何でも屋っぽい事やってるんだよ、OK?」
「うん、OK」
「よし、分かったなら帰れ」
いや、初めて会ってこの扱いって酷くね?
「酷くねーよ」
「いや、酷いと思うんですけど、まず心読むのやめてくれないかな」
「はぁ!? テメーが普通にしゃべってるだけだろーが!!」
「しゃべってねーし、大丈夫ですか? ついに頭ん中身まで爆発しましたか?」
「してねーよ、爆発したのはテメーだろーが」
「まぁまぁ、落ち着いてください、2人とも」
新八の言葉によって口喧嘩が中断される。
だが2人は睨み合ったままだった。
しばらくして、緑の髪の人は、諦めた様に溜息をし、質問をする。
「万事……なんでも屋、何ですよね?」
「そうネ! 困った事や悩み事があったらすぐ言うヨロシ! 金があるならな」
「そうですか……」
緑の髪の人はサイフの中身を確認する。
そして、金がだいたいある事を知り、そしてこう言った。
「仕事、頼んでいいですか?」
「あ、はい、いいですよ、何ですか?」
新八は探し物か何かの頼みだと思っていた。
だが、そんなこともお構いなしに、緑の髪の人は言った。
「しばらくの間——家に住ませてください」
「「「……は?」」」
三人の声は、同時に部屋に響き渡った
- Re: 【銀魂】 夢を叶えようか ( No.3 )
- 日時: 2011/12/05 15:51
- 名前: ジェクロ (ID: ubJFnUz6)
「ボザボザのゾロが」
「ここに」
「住むだと……!?」
……あの、だからゾロじゃないんです。
いつまで引っ張るんですか、そのネタ。
てか、髪型で分かろうよ。
「分かんねーよ」
「だから何で心読むの? てか何で読めるの?」
3:「あ、そう言えば初めまして、でしたね」
ずっと寝室にいたので、とりあえず居間へ戻る。
思ったより広いが、テレビはかなり小さかった。
「どうぞ、何も無いですが」
「あ、いえいえ、どうぞお構いなく」
新八は入れたてのお茶を、緑の髪の人へ出す。
銀時達は、緑の髪の人の前のソファに座った。
「えーっと……まず名前は何と言うんですか?」
「……あ、そう言えば初めまして、でしたね」
「文もずっと『緑の髪の人』で成立してたアル」
「もういっそ名前なんか出さなくていいんじゃねぇか?」
「あのー、一様俺、この小説の主人公だからね?」
やっぱり俺の扱い酷いよね。
一様主人公なのに……まぁいいや。
緑の髪の人は一旦溜息ついた後、自己紹介を始めた。
「俺の名前は神咲 緑と言います」
「見たまんまアルな」
「ああ、そのままそっくりだな」
「ちょ!? そんな事言っちゃ駄目ですよ!
確かにそのままで渾名が『野原』とか言われていじめられそうだけど……って神咲さん!?」
緑は顔を下げ、背中に残念オーラがにじみ出ている。
ほぼ半泣き寸前だった。
「大丈夫です、言い慣れていますからららららら……」
「絶対に慣れてないよね!? ちょっと銀さん、神楽ちゃん、ちゃんと謝りましょうよ!」
「ヘイヘイ、分かったよ、すまんな緑茶」
「ごめんネ、グリーン」
なんだよその渾名!!
もういいよ、何とでも呼べよ、緑茶でもグリーンでも野原でも言っておけ!!
「死ねメガネ! バーカバーカ!」
「なんで僕!?」
八つ当たりです(笑)
新八に八つ当たりした緑は、なぜか満足げな顔になった。
「……とりあえず、僕達の自己紹介でもしますか」
「勝手に仕切ってんじゃねーよ」
「そーアル、だからお前は新一じゃなくて新八なんだヨ」
「うるせーよ! 関係ねーだろ!」
「はい、関係ないので、まず興味がないので早く紹介してください」
「……いや、それはそれで酷いんですけど」
新八の言葉をワザと無視し、お茶をすする。
そんな緑を見て、新八は「絶対嫌われてるな…僕…」と思い、しぶしぶ自己紹介を始めた。
「えっと、僕は志村新八と言います、よろしくお願いします」
……なるほど、この人も見たまんまの人だな。
地味でメガネでツッコミで新一じゃなく新八……。
残念な人ですね。
「何か変なこと考えてない!?」
「あ、大丈夫です、多分考えてません」
「多分かよ」
新八が冷静なツッコミを交わした後。
チャイナ服の着た女の子は、新八に見事なドロップキックとした。
「次は私アル! 私はかぶき町の女王、神楽ネ!」
……嘘!? マジで女王!?
こんな小さくて力強い女の子が!?
てかその前に、女王なんかいたっけ!?
「あ、神咲さん、分かっていると思いますけど、女王じゃないですよ、神楽ちゃんは『夜兎』って言う天人です」
「あ、女王じゃないんですか、ビックリした」
「……信じてたんですか」
いや……あたりまえだろ……初対面だし。
緑はそう思ったが、とりあえずスルーした。
「ああ、俺ラストか、俺は坂田銀時っつーんだよ、OK?」
……さっきと同じパターンできたか……。
ここで俺が「OK」って言ったら帰れって言われる
でも「NO」って言ったらまた言うだろうな……紹介。
まぁいいか、一か八かで。
「うん、OK、だけど帰らない」
銀時は緑に聞こえる音でワザと舌打ちする。
てか、これだけでよかったのか。
緑は聞こえないフリをし、とりあえず話を続けた。
「さっき言ったように、ここに住ませてください、何でも屋なんでしょう?」
「いや……あの……万事屋って言いましたけど、万事にも限度があって……」
「お金貰ってないから駄目アル」
「そーだよ、たとえ貰ったとしても何か嫌だし……」
銀時が話している途中に、緑はなにやらポケットの中をゴソゴソ漁る。
そしてサイフを取り出し、中身を見ての福沢諭吉の列を茶封筒の中に入れ、銀時にわたす。
「何だ?」
「金だよ、依頼費と俺が住む家賃が合わせて入ってる」
ま、大体こんなもんでいいかな。
銀時は茶封筒の中身を見て、目をキリッとし、口を大きく開ける。
「ぜひ、住んでくださいィ!!」
「ちょ、銀さん、いいんですか!?」
「うるせーよ、新八! お前も神楽も、これ見てみろよ!!」
銀時は新八と神楽に茶封筒の中身を見せる。
中は金色のオーラとともに、百枚を超える福沢諭……いや、福沢様の列があった。
「ちょっ!? これかなりの大金じゃないですか!!」
「これで焼肉食べ放題ネ!!」
「本当にいいんですか!? こんな大金!」
新八は半分にやけながら言う。
銀時は、お札を一枚一枚数えていた。
緑はサイフが空になったので、一枚のカードを取り出し、サイフをゴミ箱に捨てる。
「いいんですよ、俺は俺でちゃんとありますから」
「でも、今サイフ捨てましたよね、カード一枚しか……」
新八はある事に気づく。
そのカードをじっくり見てみると、金持ちしか持っていないと言われるゴールドカードだった。
「ぜっぜひ住んでくださァァァァい!!!」
新八は土下座した時、ふとこう思った。
本当はブラックカードが良かったんだけど、多すぎたからね。
……やっぱり金だよね。
——……
じゃあ、これからよろしくお願いします、野原さん。
よろしくネ! グリーン!
仕事の邪魔すんなよ、緑茶。
……あの、やっぱり渾名止めてくれない?