PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼夢小説〜誠に生きる者達〜参照800超感謝! ( No.69 )
- 日時: 2012/04/15 15:47
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
18話 鬼の所要
千幸が裏庭から戻ると、広間には誰もいなかった。斎藤は巡察に出て
いるとして、原田や平助が雑談していないのはおかしい。
水「あれ?……!まさか。」
首をかしげた時に不穏な気配を感じた千幸は、気配を感じた中庭へと
足を急がせた。
水「この気配!…懲りない奴ねっ。」
千幸が中庭に駆けつけると、まず聴こえたのは平助の怒鳴り声だ。
平「こいつに近づくんじゃねぇ!!」
土「…何しにきやがった。」
二人の声を聞きながら、一先ず木陰に身を隠して様子をうかがう。
声は聞いていないが、原田もいて、全員に共通して言える事は。
風「フン。群れる様は犬猫の如く、か?」
原「言ってくれるじゃねぇか。」
金髪赤眼の男—風間と対峙し、武器を構えているという事だった。
風「よせ。今日は所用を済ませに来た。」
土「悪ぃが、受付ねぇな。」
土方が風間を完全に追い払ってしまう前に、千幸はころ合いを見て
木陰を出た。勿論今まで気配を絶っていたので、人間である土方達は
勿論のこと、鬼である風間も気付いていないはずである。
水「所要、ですか。僕は興味ありますよ?土方さん。」
平「千幸!」
風間だけを睨みながら進み、土方の前。つまりこの場所では一番風間に
近いところまで進む。
風「ほぉ。貴様か……」
水「会って2回目の『人』に、貴様呼ばわりされたくないなぁ。」
男性を務め、風間の事も知らないふりをした。土方達に関係を知られ
たら困るからだ。風間は千幸の演技をすぐに見抜いたようで、眉の
顰めを消すと、口元を微かに歪ませた。千幸だけ。いや、もしかしたら
千鶴にも見えていたかもしれない。
水「…何をしに、きましたか?」
丁重に、しかし重く千幸は問うた。
PR