二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼夢小説〜誠に生きる者達〜参照1000超感謝! ( No.82 )
日時: 2012/07/16 09:03
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

23話 闇夜の少女

その日の夜。永倉の予想通り、事は起きた……

原「来たな。…十番組、突撃準備ッ。」
月明かりのない新月の夜。原田達十番組は、制札の
警護で三条大橋に張り込んでいた。
制札場に来た約8人の土佐藩士が、今まさに幕府の
制札を引き抜こうとしていたのだ。
藩士「よし、もう少しだ!」
藩士が余裕の笑みを浮かべた時だった。
原「続けぇェェェェ!!!!!」
原田の号令がかかった。十番隊は藩士たちの捕縛に
懸かる。
藩士「浅黄色の…新選組だッ!!」
藩士「た、退避しろっ!!」
慌てて逃げようとするがもう遅い。隊士たちが次々に
捕縛している。
隊士「この、おとなしく…ぎゃァァァァ!!?」
原「何ッ!!?」
一人の隊士の絶叫が上がった。背中を斬られたようで
羽織が赤く染まっている。そしてその後ろには、
刀を持った着物の人物。
?「…………(スッ」
その者は刀を使い次々と土佐藩士の縄を解いて行き、
隊士たちが唖然としている間に全員を逃がして
しまった。
?「…………」
逃げ遅れがいないのを確認してから、その者も納刀
して身を翻す。
原「!てめっ、待ちやがれ!」
原田のみが、組長の名に恥じない速さで動いた。
持っていた槍を、狙い投げしたのである。
?「………!!」
とっさに避けたが、顔を覆う頭巾が外れ、原田から
3歩も離れていない位置で顔が現れる。
原「ッ!!?」
その者は少女の恰好をしていた。原田の方に振り
かえり、まるで『おみごと』とでもいうかのように
微笑み去っていく。
原「……千鶴?」
そしてその少女の顔は、恐ろしいほど千鶴に瓜二つ
だった。