二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: セブンズコード!【犬夜叉】 ( No.4 )
- 日時: 2011/12/19 19:47
- 名前: 夏雲あざみ ◆iYEpEVPG4g (ID: WPJCncTm)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
「女子中学生にこんなスタントやらせるなばっきゃろー!」
堪らなくなって声を出す。得体の知れない気持ち悪い物体に追いかけられるのは不安を煽った。私にはもう選択肢は残されていないのだ。
それでも追いかけて来る気持ち悪いのを後目に、見えもしない前を見つめて懸命に走る。・・・・・・すごく、快適です。
例えるならマジゆっくりマラソンやってるみたいな?そんな程度に息切れもしないしぜーんぜん疲れてこないのだ。
もうどうにでもやってやる!と意気込む事はとーぜん、出来ないので他に出来る事を探す。幾ら走っても人の気配は無いし、明かりも何も無い。
ちらりと後ろを振り返ると、それは光を発しながら浮遊感を保ちつつ私に付いて来ているようだった。
「(何なの?!それ光る必要あんの?!逆に気持ち悪いむしろキモすぎて何なの?!)」
声は出ない。精神的にそれほどにまで余裕が無いからだ。
ふと自分の右手に冷たい物体が在るのを感じた。手を走りながらもゆっくり開くと、小瓶の側面に見慣れた文字が目に映った。
【飲んで下さい。注意書き/飲まないと貴方は24時間以内に死にます。絶対大丈夫なので今すぐ飲んでください。】
「意味わかんねえわ!!」
つい叫んでしまったが、本当に意味が分からないのでしょうがない。果てしなくうさんくさいのである。
こんな危機的状況下でこのコメントはどうかと思うんだ。貴様は押し売りのセールスか?飲め飲めと言われるほど飲む気は失せて行く物だったりするんだ私は。冷静に考える事が出来たのは追いかけてきたのが変な物体だったからだろうか。
妙な違和感を覚えると、背中の気配が薄まったのを感じ、今一度振り返る。事もあろうに、其処には何も無かった。まるで今までの全てが現実じゃないみたいだ。
立ち止まって胸を撫で下ろす。ただし小瓶は、そのままだった。無色透明の液体は波立ってゆらゆらと揺れている。コルクの栓を興味本位で開けると、なんとも言えない薬品特有の鼻につく臭いが漂った。
何故か私は何処となく飲んでみようという気になっていた。見るからにヤバそうな色は、してないし。
一瞬躊躇ったが少しだけ舌を付けるようにして口に注いでみた。・・・・・・案の定クソまずかった。二度と飲みたくない。
それ以上飲む気にはならないでいたのに、急に手が動いた。それに反応しようとすると、全く左手は動かない。意志に背いた右手だけが、瓶を口に運ぼうとする。
「ちょ、ごほっごぼほはっほごっ!」
飲みながら喋った為器官に入ったようだ。盛大に咳き込んだ。まさか飲むだけで私の喉がバーストするとは思わなかった・・・・・・。あーもうほんと何なのこれ。
一息ついて居た所、目の前にまた変な物体が登場する。変な声が出て器官の辺りが壮絶な痛みを発しているのに気付く。うおおマジ痛い。特に鼻と喉の接続部分。言わずも知れがな、当然私は走りながら逃げた。
すると目の前は木だった。え?その表現可笑しいって?いや、本当木なんだよ、突然視界に来てさあ。ただ気付くの遅いだけかもしんないけど。
「わっ、と、ってうああああい!」
そんな奇声を発した後、目の前の光景が信じられなかった。正にアンビリーバボーというやつだ。
木だ。ただの木じゃなくて、倒れてる木。うん確かに私は木とごっちんこして仲良しになる予定だった筈だ。なんだこれは。
どう考えても、私が木を蹴るか殴るかそれともチョップでもしたかで倒してしまっていたのだ。それも、いとも簡単に。
その場に座り込んで大口を開けてぽかんとしていると、ビンの文字が何やら変わっていた。
「その薬を飲んだ貴方は異世界に来た特典として●▽※*×▲(読めない)が与えられます。身体能力の上昇はこちらに来た際に調整しておきましたが、それ以外の何か特殊な能力が身についている筈でしょう。しかしその代価があるのもお忘れなく。ではさようなら。って意味分からん。」
え・・・?ちょっとあなた何しれっと私の体改造しましたよ的なこと言ってんの・・・?
薬を飲んだだけでパワーアップするとか信じられん。危ない薬じゃないっすよね?
しかし私は飲んじゃったワケだ。え、もしかして木倒したの私の能力?いやいやいや、まさかそんな。
特殊な能力とかちょっといやかなり嬉しいけ何故。腕からシュワッチ!とかいってビーム出たりするかな?今度やってみよう。
結局その日は当然の事ながら野宿した。冷えるかな、と思って厚着してきたのが幸いし、私は凍死する心配をせず眠りについた。