二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 儚く消へるは鬼の夢 ( No.11 )
- 日時: 2011/12/29 19:22
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
参話 「団子屋で」
千鶴「はぁ・・・」
其の又次の日、千鶴は左之助の隊と昼の巡察に出ていた。
ずっと左之助の隣を歩いている。
本日56回目の溜息。
先程からずっと溜息を付いていた。
千鶴自身はあまり気付いていない様子だ。
左之助はずっと千鶴を見下ろしていた。
千鶴が左之助の視線に気が付く。
千鶴「ど・・・どうかしましたか?私に何か付いてます・・・?」
左「いや、溜息ばっか付いてるからよ」
千鶴「えぇ!?本当ですか?すみません、気が付いていなくて」
慌てている千鶴を見て、左之助が微笑む。
そんな左之助を見て、千鶴が赤くなる。
左「最近の事もあったし、疲れてるみてぇだから、団子でも食いに行くか」
千鶴「え?だ・・・駄目ですよ!それに私、大丈夫ですから!」
左「まーそう言うなって」
そうして無理矢理千鶴を連れて団子屋に着く。
団子を2本頼むと、店主がスグに出してくれた。
左「ほら、食えよ」
千鶴「あ・・・ありがとうございます」
千鶴は控えめに礼を言い、団子を頬張る。
千鶴「美味しい・・・」
左「だろ?此処の団子は他より美味いぞ」
千鶴「又そんな事を言って・・・。ふふ」
?「あら?千鶴ちゃん?」
千鶴の後ろで声がした。
左之助もよく知った声だ。
声の主は・・・千鶴は鬼だと教えてくれた、千だった。
隣には君菊が居た。
千鶴「お千ちゃん!久し振り!」
千「えぇ、久し振り。偶然ね。原田さん・・・巡察中じゃないの?」
左「こっそり来てるんだ。土方さんとかには内緒にしてくれよ」
千「分かったわ」
千が半ば呆れて返す。
その時、君菊が口を開く。
君菊「千鶴様、少々お顔の色が悪いですが、大丈夫ですか?」
千「確かに。体調が悪いんじゃ・・・」
千鶴「ううん。体調が悪いんじゃないの。実は・・・」
千鶴はこれまでの事を素直に全て話した。
隣では、左之助と席を変わった千が真剣に話を聞いていた。
千鶴が全て話し終えると、君菊が千に耳打ちする。
千は頷くと、千鶴に向き直った。
千「千鶴ちゃんの言う事は分かったわ。千鶴ちゃんの言う・・・乗っ取る、そんな能力を持った鬼の一族が居たわ。ね?お菊」
君菊「はい。ですが、その鬼の一族は3年前に滅んだと聞いております」
千「目的は分からなくても、危ないわ。これからも気をつけてね?」
千鶴「うん。ありがとう・・・。お千ちゃん」
左「おし、行くぞ!千鶴!」
千鶴「はいっ!じゃあね、お千ちゃん!!」
千「うん。ばいばい」
千鶴は笑顔になっていた。
千に話してスッキリした様子だ。
逆に千は難しい顔をした。
千「探さないとね・・・。千鶴ちゃんの言う犯人を」
君菊「了解しました。参りましょう、千姫様」
【続く・・・