二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 儚く消へるは鬼の夢 ( No.14 )
- 日時: 2011/12/31 17:04
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
肆話 「とある歴史書と風奈家」
千は今、殺風景な荒地に来ている。
家は壊され、処理されていない死体がまだ転がっている。
此処で戦があった証拠だ。
一通り見回して、溜息をつく。
千「やはり手がかりは無しね。酷く荒れた土地だわ・・・」
君菊「やはり戦があってから3年程時が経っています。もう此処に生き残りは居ないと見受けますが」
千「そうね。ではひとまず戻りましょう」
そう言った時には、千と君菊はもう見当たらなかった。
次に千が付いた場所は、千の家とも言える場所。
千達の血筋で代々受け継がれている書斎の様な場所だった。
鬼に関する事を多く記された本が山のように有る。
千はその中から鬼についての歴史書を一冊取り出す。
他の本の何よりも分厚い本だった。
千「頼りになるのは、この歴史書だけね・・・」
【鬼歴史—始まりから終わり—】という歴史書だった。
この歴史書は、鬼の始まりから自動的に書かれ、今も更新されている。
人の手を加えていない大切な歴史書だ。
また、それぞれの鬼の特徴等についても書いてある。
千「・・・まずは特別な力についてね。私さえもよく知らないあの力」
君菊「鬼一族名は【風奈(かぜな)】です」
ぱらぱらと本をめくる音だけが響く。
そして中盤らへんまで本がめくられた処で止まった。
だが、その本のページを見て、目を見開く。
千「真っ白・・・なんて!」
君菊「この本でも記せない事があるのですね・・・」
千「な・・・なら3年前、何が起きたかよ」
動揺して驚くのもつかの間、慌ててページをめくる。
そして今から約3年前の事が記されたページを開く。
そこには
〜3年前〜
【風奈家、ある戦に巻き込まれ分裂】
【分裂した片方は人間に力を貸すのを拒む。そしてまた戦に巻き込まれ滅ぶ】
千「これだけ?」
君菊「そのようですね・・・」
千「風奈家についての記録が全く無いなんて・・・どういう事かしら」
君菊「誰かの手によって機械的に消されているのかもしれません」
千「ありえない話だけれどね・・・」
そして欠けかけている太陽を見る。
その太陽はまるで嘲笑っているかのように、2人の事を照らした。
【続く・・・