二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 儚く消へるは鬼の夢 ( No.27 )
日時: 2012/01/17 22:15
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

捌話 「頼み事」


千澪は、天霧と一緒に居た。
ある宿屋の廊下を歩いていた。
すっすっと早い足取りで歩いている。
別に急ぎの用ではなさそうだが。

?「おぅ姐さん、久し振りじゃねぇか」
千澪「あら・・・」

廊下の端から千澪に声を掛けたのは、不知火匡だ。
何時もと同じようなにやりとした笑みを浮かべている。
千澪ははんなりと匡に笑いかける。

千澪「お久し振り、匡君。元気そうで良かったわ」
匡「姐さんこそ変わってねぇな」

くすくすと千澪が笑うのを見ると、匡が少し表情を和らげた。
千澪が怒っている時に声を掛けると、とても恐いから。
匡の近くまで歩いて来た千澪は、また、にっこりと笑い掛ける。
そして、また廊下を歩いて奥の部屋の前まで来る。
すっと障子を開けると、千澪と同じ金髪の男が居た。
風間千景だ。
障子が開いたのを確認すると、千澪に向き直る。
千澪は千景にも微笑んで部屋に入っていった。
千澪が中に入ると、後ろにいた天霧と匡も部屋に入る。
千景の隣に天霧と匡。
その参人の前に千澪が座る。
千澪が切り出した。

千澪「・・・で?私に何か用かしら、千景」
千景「それ以外に何でお前を呼ぶ?」
千澪「それもそうね、で、何の用?」
天霧「奈都殿は、雪村千鶴という女鬼を知っていますか?」
千澪「・・・・・・・それは知ってると知って呼び出したのではないの?」

千澪が問いを繰り返す。
半ば呆れて聞いていて、真実を知っているのかどうかも危ういと感じた。
はぁ、と千澪の溜息を聞くと、また天霧が話し出す。

天霧「千鶴殿誘拐をしてほしいと言いますか」
千澪「・・・誘拐?それは本気で言っているのか?千景」
千景「本気だ」
匡「風間は雪村千鶴を嫁にしたいんだとよ、姐さん」
千澪「ああ、なるほどね」

千澪は状況が分かったようだった。
そして、匡のような笑みを顔に出した。


  【続く・・・