二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.202 )
日時: 2012/01/26 20:24
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: jIh6lVAe)

31.化身



輝「ユ、ユエ……?」

輝が不安になって呼びかけた瞬間、水がひとつの形となった。ゆらいでいて見にくいものの、それは鳥のように見えた。

ユ「『夢の水鳥(すいちょう) アクア』。」
天「ユ、ユエって、化身使いだったんだ……!」

きょうがくする天馬をよそに、ユエはボールを蹴り上げると、自分も飛び上がる。
そして、右回りに回転すると、勢いをつけてボールを蹴った。どうやら、まだ本気は出していないらしい。しかし、このシュートはかなりの力を持っていた。
なんとかシュートを止めたキーパーではあったが、その威力は強大なものであった。グローブが黒く焦げているのだ。

ユ「止められたか……。」

ユエは地面に悠々と着地すると、そうつぶやいた。まだまだ力は出していないらしいが、やはりユエの力はすごいものだった。
その威力におどろいているのは、雷門側はもちろん、フィフスセクター側も、目を見開いておどろいていた。ユエの力は、以前——『ゴッドエデン』から去ったときよりも、倍……いや、それ以上になっていたからだ。
だが、ひとり、冷静な者がいた。
イシドシュウジだ。

イシ(やはり奴を早めにはなしたのは正解だったか。)

ひとりで微笑むイシドに、気づく者はいないまま、試合は続いた。


〜前半終了〜(←速ッ)


「くっ……はあ、はあ……。」

雷門イレブンは、肩で大きく息をしていた。だいたい攻めはユエが行ったのだが、打ち込むシュートは、化身を出しているわりには化身シュートではなく、威力のあるノーマルシュートなのだ。だが、相手のゴールキーパーもまた化身使い。化身シュートではなかなか敗れないと知ってか知らずか、ユエは前半終了まで、決して化身シュートを打たなかった。しかし、ユエにはきちんとした戦略があったのだ。

ユ「なるほどねぇ。」
霧「なるほどって、なにがだ?」

霧野の問いに、ユエは「ゼロ」のキーパーを見つめながら言った。

ユ「アイツの化身がどれくらいの力があるのか、ちょっと調べるために、こて調べの軽いノーマルシュートを打ってたんですが……かなり弱かった。」
神「あれで軽く打ってたのか!?」

神童がおどろきの声をあげる。無理もない。あのシュートは、三国であっても、かなりねばらないと止められないシュートであったろうに、軽く打ったと言うのだ。三国もきょうがくしている。

ユ「は、はい。え、以外でした?」
綿「てっきり本気かと思ってたぜよ……。」
ユ「ぇ、シュートの時は、まだ5分の1も出してませんでしたが……というか、本気を出すと、暴走する恐れありなので、あんまり必要以上は出さないんですけど……。」

うろたえながら言うユエに、ウソはないのだろうと苦笑する剣城を見る者も、また誰もいない。ユエのことに集中してしまっているのだから。

ユ「さてと、あのキーパーの攻略は、少し難しいかな……。」
輝「弱いのに?」
ユ「あまいよ、輝。たしかに軽いノーマルシュートだったけど、その分相手も本気を出してない可能性だってある。だから油断は禁物なんだ。」
輝「そっか……ユエらしいなぁ。」
ユ(ほめてるのかよ、あきれてるのかよ。よく分かんないけど、問題は攻略法だのなんだのだよな。んと……あー、ゲームメーカーの勉強しとくんだった。作戦たてるの苦手ー。)

今さら後悔してもおそいのだが、ひとりで悩むユエ。
そんな中、なんともびみょうなタイミングで、後半は始まりをむかえたのだ。