二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.260 )
日時: 2012/02/01 19:32
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

34.合体化身と姉さん



吹「ねえ、ユエ君?」
ユ「はい?」

元の位置に戻ったユエに、吹雪がまっ先に声をかけた。

吹「今のは、『炎の風見鶏』と同じ鳥だった。どういうこと?」
ユ「え、と……;;」
ユ(しまったあぁ——! 吹雪さんたち『炎の風見鶏』知ってるんだっけ! 今さらながらバカか俺!!!)
ユ「い、今のは、たまたまってやつですよ。アハハハハ……;;(いや、むしろ『炎の風見鶏』にあこがれて打った技ですからね;;)」

本当のことを言わないということは、ここまであせることだったけと、ユエには一瞬、疑問がよぎる。
でも、吹雪はしぶしぶDFの位置に戻っていった。もうすぐ試合が再開するからだ。
ユエが雷門側に点を入れたことで、チームゼロからのキックオフだった。
ピッと笛の音が鳴り、試合が始まった。
その直後、二人はすぐに化身を発動する。もちろん合体させ、『聖騎士 アーサー』となった。

神「『奏者 マエストロ』!」
剣「『剣聖 ランスロット』!」
天「『魔神 ペガサスアーク』!」
ユ(え、ここは俺も出した方がいいのか?)
輝「ユエ、天馬たちに力を貸してあげて!」

ベンチで、輝がさけぶのが聞こえた。

ユ(輝の頼みとあらば、しかたないかなぁ。)
ユ「『夢の水鳥 アクア』!」
ユ(止められるって言う保証はないんだけど;;)

内心「無防備な俺;;」と思いつつも、『聖騎士 アーサー』に天馬、剣城、神童の後に続いてつっこんでいくユエ。心の中のことは顔にはまったく出ておらず、真剣な面持ちだった。
『聖騎士 アーサー』と、天馬たち3体の化身がぶつかり合うが、なかなか止められない。あとから来たユエの化身『夢の水鳥 アクア』が押しに入ると、ようやっとその場に押さえ込むことが出来たが、徐々に徐々にこちらに押されている。

ユ(やっぱり合体化身に普通の化身じゃ勝てないか……じゃあ、こっちも合体化身……やってみるか。)

ユエはそう思い立つと、化身を素速くしまい、しゃがみ込むと、右手を地面につき、それを軸にして左に回転しボールを奪うと、フィールド外に出した。
安心したのもつかの間。いきなりユエが化身をしまったのだ。「もう少しで行ける!」と思っていた3人は、思いきりアーサーに押されてしまい、フィールドに倒れていた。

ユ「あっ、す、すいません! 大丈夫ですかああぁっ!!」

ユエがあわててかけ寄る。
そして、すぐ小声で、神童にこう伝えた。

ユ『天馬、剣城、キャプテンの3体の化身を合体させるんです。そしたら、アーサーを防げるかもしれません。』
神「上手くいくか?」
ユ『分かりませんけど、やってみたら、と思って……。』

ユエの真剣な瞳にウソはないと思った神童は、それを了解し、天馬たちに伝えた。もちろん、天馬たちも了解した。

天「イチかバチか、ですかね……。」
神「そんなところだな。」

3人とも緊張した面持ちだ。
「ゼロ」からのスローインでスタート。白竜にボールが行ったが、そのボールは、ユエがカットする。

ユ(なるべく奴らには、ボールを渡さないようにしないと……。)

ユエはすぐに天馬にパスする。しかし、自分の後ろで、強い風が吹き抜ける音がした。
ボールを奪いに行った白竜だった。

ユ(天馬、剣城、キャプテン、成功させてくれ……!)
シ・白「『聖騎士 アーサー』!」
天・剣・神「『魔帝 グリフォン』!」

みごと、天馬、剣城、神童の化身は合体した。
そして、アーサーを打ち消したのだ。

ユ(よかった! やっぱりキャプテンたちならできると思ってた……!)

ユエがそう思う反面、シュウと白竜は吹き飛ばされて、宙を舞っている最中だった。
その一瞬の間、シュウはある者を見た。
甘栗みたいに、くりくりした瞳、瞳の色と同じ、鎖骨までの髪の少女。

シ(姉…………さん………………?)

現実的に考えれば、シュウの姉はいないはず。
しかし、彼女が見えたのは、ほんの一瞬。すぐに地面にたたきつけられた。

〜2分後〜(←飛ばしてすみません)

雷門が点を取ったことで、試合はゼロから始まる。
と、なったところで、吹雪が再び声をかけてきた。

吹「ねえ、ユエ君。」
ユ「はい……;;(今度はなんなんだ……;;)」
吹「力を貸してくれない?」
ユ「えっ……。」

いきなりの吹雪の予想もしない言葉に、一瞬戸惑ったユエだったが、すぐにニッと笑うと、

ユ「もちろん、いいですよ。」

と答えた。なにか意図があると感じとったからだった。


神「ユエ!」

試合再開後。先に攻め上がっていたユエに、神童がパスを出した。
ユエは、チラリとDFの位置にいる吹雪を確認すると、ゴールに向かってかけ出す。それを合図に、とでも言うように、吹雪もかけ出した。
どんどんMFとDFを抜き去るユエ。そのあとを追う吹雪。
そして、ゴールからあと5メートルほどのところで止まると、

ユ「行くぞ……『水の風見鶏』!!」

ユエの蹴ったボールは、スピードを増してきたところで、吹雪が追いついた。

吹「『エターナルブリザード』ッ!!」

吹雪のシュートチェイン。予想もしない展開に、キーパーはなす術もなく、ゴールを許してしまった。

ユ(ふう、よかっt……。)

ズキッ ズキッ

ユ(ッ!?)

いきなり、右足が痛み出した。あまりの痛みに、思わず右足をかかえる。

ユ(な、なんだ、この痛み……!?)
吹「どうしたの、ユエ君!?」

おどろいて、吹雪がかけ寄った、そのとき。

ピッピッピ——ッ!!

ホイッスルが鳴り響いた。
試合終了の音だった。

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>>>優梨

チラ見って……

優梨、男子にも、たまには優しくしてやる?
なんかかわいそうになってきたわ、男子。