二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 歌詞公開中 アドバイスください ( No.379 )
日時: 2012/03/04 10:01
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

51.夕日



すごい音をききつけてか、緋詞がバタバタと音を立てて、かけてきた。俺と言ったら、まるでなにごともなかったかのように、ティーポットを持っているしぐさをしてる。
ティーポットを落とし、割ってしまったと気づいたのは、緋詞に声をかけられてからだった。

緋「おい、月流! 足元、足元!」
ユ「足元?」

足元を見てみると、黄色いカーペットに、白い物が散乱してるのが、ぼんやりと見えた。
べつに、大さわぎすることもなく、静かにしゃがみこんで、かけらを拾う。
そのとき、かすかに、心の中で変な感じた気がしたけど、そんな気持ちは、一瞬で消えた。

緋「大丈夫かよ。タオル、持ってくるな。」
ユ「え? って、あれ? なんでポット割れてるんだ??」

今さら正気(しょうき)になった。目に映っていたゆかが、やっときちんとした映像になった。
さっきまで、びみょうに意識が、飛んでいた感じだったというのは、事実だ。

緋「なんで、って……。気づいてなかったのかよ?」
ユ「あ、うん。おかしいなぁ……。」

ティーポットの中にはまだ紅茶が入っていたから、ゆかがぬれている。もったいないな、と内心思いながらも、せっせと台所にあったふきんで、ゆかの紅茶を取った。
すると、肩がトン……ちふれあった。
となりを見てみると、緋詞がもう1枚ふきんを持ってきて、ふいてくれていた。

ユ「緋詞、おまえ……。」
緋「たいへんだろ。ほら、そっちやれって。」
ユ「え、あ、おう。」

気のせいだろうか。
いや、気のせいだ。







緋詞の顔が、少し赤く見えた。



それは、たぶん、カーテンをこえて入ってきた、夕日のせいだよな。

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きょうは短くなっちゃいましたね;;;;;