二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナGO〜なくしたくない物〜 NEW:希望 ( No.430 )
- 日時: 2012/03/22 20:57
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/kakiko1332389297627.png/img/
61.時間が……
ユ「しまったなー。輝にきちんとメールしとくか。」
病院前。きちんと病院から出てメールです。なんで出るかって? きまってんじゃん。病院の仲だと、電波のせいで患者さんの体調悪くなっちゃうかもしんないからだよ。常識だよ、常識。
『相手:影山 輝
添付:なし
内容:試合行けないかもしんない。
青山先輩試合に出られるようきいといてくれ。俺の代わりに出てもらいたいんだ。元々は、青山先輩のいるところなんだからな。』
ユ「よし、送信っと。」
数秒後「相手にメールが届きました。」という表示が出て、パタンとケータイ電話をとじる。
ユ「あの調子じゃ、俺がいたら、むしろ足手まといになりそうだもんな。」
ひとりごとを言って、病院の中に入ると、冬香さんがいた。
冬「あ、月流君、さがしたのよ。さあ、おいで。先生、待ってるわ。」
とうとう手術。
そう思うと、かなりドキドキする。
成功確率10%……なんて、聞いた瞬間、頭おかしくなったかと思ったよ〜。だって、失敗確率90%だろ? うわ、こえーww
ユ「はーい。」
手術……成功しますように。
って、おいのりするって、俺、キャラ崩壊してません?
〜in神童の病室〜
神「きょうもきてくれたのか、友撫ちゃん。」
友「うんっ、だって、神童さんはサッカー好きで、話しがとってもあうんだもん。お兄との会話っていったら、だいたいケンカくらいだし。」
神童と友撫の会話は、いつもこんな他愛ないことが多かった。べつに、重大なこととか、ちゃんと話さなきゃいけないことは、あまりなかったから。
でも、きょうはちがった。
友「神童さん、真剣にきいてくださいね。」
友撫が真剣な表情になったのを見て、神童もすぐに感じとる。友撫は、大切な話しを、今からはじめる。
友撫の目からは、そんな気配がしていた。
友「お兄は………………
もう、あまり時間が、残されていません。」
神「な……。」
神童は、ことばもなくうめいた。友撫もつらそうに、顔をそむける。神童も、友撫から色々ときいていた。友撫は、ユエの本当の妹ではないこと、ユエは女であること、そして、記憶を失っている、ということ。
神(いくら偽りの兄だからって言っても、これまではげましあったり、仲よくしたりした、家族にかなり近い存在なんだ。……悲しいよな。)
友「お兄の病気の原因は、もうわかってるのに……いったい、どうやれば治るの……っ!?」
神「えっ、原因は、分かってるのか!?」
友撫は、神童にはまだ話していなかったっけと思い出し、うなずく。
友「はい。お兄がああやって頭痛になやまされるようになったのは、4年前。その年は、お兄が記憶を失くした日です。」
神「4年前……といったら、もうユエは小学3年生じゃないか。なにかまちがってないか?」
友「いいえ、そっちがまちがってるんです。」
友撫が言ったことが、神童には信じられなかったが、その真剣なひとみに、ウソはないと思った。黙ってうなずく。
友「お兄は、ほんとうは……。」
小さな声で、友撫はささやくように言った。