二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナGO〜なくしたくない物〜 参照2000突破! ( No.469 )
日時: 2012/06/02 08:11
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
参照: http://www.hosp.go.jp/~shoraiso/shinri/asperger_syndrome.html

68.テキトーすぎ!

(ブッ飛びジャンプで放課後)

実「全員集まった?」
天「えっと、ユエと風丸さんがいません。」
実「あのふたりは、わざわざここに連れてきてないから、安心しろ、チョココロネ!」

実刈コーチはめがねのしたでウインクをして親指をたてたが、正確には実刈コーチがよんだのは「チョココロネ」ではなく「天馬」である。

相「コーチ、チョココロネさんじゃなくて、松風天馬さんです。」
実「あ、悪いな。でも、名まえすぐわすれるから、まちがってたら、また修正たのむぞ、相崎っ☆」
相「おれは修正係ですかっ;;」
雷門全(仲いい……。)
実「コホンッ。まあ、こんなコントはいいとして。」
相「コント!?」

せきばらいして「コント」といった実刈コーチに、また相崎はツッコんだ。とりあえずここでは、実刈コーチを激しすぎるボケ、相崎をふつうのツッコミとしておこう。
実刈コーチは相崎に指であいずすると、相崎は大きくため息をついたあと、部屋のはしっこからホワイトボードを持ってきて、みんなに見えるように、実刈コーチのとなりに持ってきた。おそらく、ことばだけでは分かりにくいところがあるので、分かりやすいようにということだろう。

実「いまから少し複雑なことを話すからね。数学より複雑の可能性あるからね。」
狩「ゲッ。」

数学より複雑ときき、狩屋はにがい顔をする。

実「まず、ユエのことな。
   ユエはみんな知ってのとおり、風丸一郎太のいとこの妹。それから、友撫はユエのいつわりの妹だ。ユエ自身はひとつの事件をキッカケに、自分を『俺』の名乗るようになった。ここまでは分かるねー。」
天「あの、すいません、質問なんですけど……。」
実「なんだ、チョココロネ!」
相「だから、松風天馬さん!」
天「い、いいよ、べつに……(よくいわれてる気がするし)。」
実「で、質問があるんだろ? なんだ?」
天「あの、そのキッカケってなんなんですか? 俺って名乗らなきゃいけないくらい、ショックだったのかな……。」

天馬の質問に、実刈はうーんと考えこむ。考えなければいけなかったのだろうか。というか、実刈自身知らないのだろうか。

実「ショック……というか、強くありたいってことだったんじゃないかと、思うんだけどな……。」
天「え……?」
友「たぶん、友撫のことだよね、みーちゃん。」
実「そのとおり。こんだけいわれたら、ふつうわかるとは思うんだけどな。」
天「友撫ちゃんのこと? ユエが強くありたいと思うほどのできごとって、なにかったっけ……?」
輝「あっ!」

輝が声を上げ、みんながいっせいにふりかえる。しかし、友撫だけは、少し笑って見えた。

輝「もしかして、友撫ちゃんがイジメを受けてて、屋上からおちたって、アレじゃ……。」
実「するどいな。正解。友撫が屋上から落ちた一週間後くらいから、サッカー部もプレイヤーとして出場するようになったし、自分のことも『俺』っていうようになったんだ。」
霧「そうだったのか。てっきり、生まれつき気が強くて、だから自分のことも『俺』っていってるのかと思ってた……。」
実「まあ、ここでしんみり立ち止まってても、あんまり得なことはないからな。話すすめるぞ。」

実刈が話を先へとすすめる。

実「ユエが記憶を失ってるっていうのは、たぶんきいたと思うんだが、そのことについて、もう少しくわしく話すな。」

実刈は苦虫をかみつぶしたような顔になる。

実「とっても苦い思い出なんだがなぁ……。」
友「みーちゃんがイヤなら、友撫話そうか? だいたい、本来なら、お兄の口から出てくるはずのことだもん。」
実「いや、いいよ。
   で、本題はというとだな。これは、最近あたしんところに訪問してきた、ユエの母さんから聞いた話しなんだ。」
全「ユエのお母さん!?」

全員が大合唱をした。実刈は耳をふさいだあと、かわいた笑いを上げながら、説明を続ける。

実「はー……。まったく、おどろきすぎだっての。つづきを話すぞ。
   香奈(かな)……あ、ユエの母さんな。香奈の話では、風花は、アスペルガー症候群っていう、障害なんだ。」
天「あすぺるがーしょうこうぐん?」
実「アスペルガー症候群っていうのは、簡単に説明すると、ひとよりもコミュニケーション能力が低くて、あんまりひどいことがあると、人をなかなか信じなくなるらしいんだ。ほかには、人と接することを、必要最低限にしようとしたり、不登校になったりとかな。
   で、これが原因で、香奈のことを信じなくなったんだ。その……捨てたと『思いこんで』。」
剣「思いこみってことですか?」

剣城の質問に、実刈はビシッと指をさす。

実「ま・さ・に、そのとおり! するどいね、チョンチョン君(剣城ファンすいません)!」
剣「チョ、チョン……!」
相「剣城さんです! 実刈コーチ、いいかげんにしてください! 俺の役割は、ほんとうは、『実刈コーチが言ってることワケ分かんない時に開設する』なんですからねっ!」
実「まあ、いいじゃないか、相崎。
   で、話を本題に戻すが、つる……なんとかって奴がいったとおり、ユエの思いこみってワケだ。ほんとは、捨てようなんて意志は、香奈にはなかったんだよ。香奈は、ほんとうは——……。」

実刈がいいかけた、そのとき。

ピンポンパンポーンッ  『学校に残っているひとは、すみやかに出ていってください。下校の時間でーす。』

というアナウンスが、雷門にひびきわたった。実刈は大きくため息をついて、なんの罪もないスピーカーににらみをきかせてから、頭をクシャクシャとかいた。

実「下校時刻となっちゃしかたないな。あたしも、そろそろ仕事あるし……。」
相「えっ、実刈コーチ、仕事なんてあるんですか……。」
実「おい、あたしをなんだと思ってた!? いちおう教師だぞ!」
天「ハ、ハハハ……。」
実「まあ、いいや。とりあえず、もう帰れ。そうだなー……わすれてなければ、一ヶ月半後にくるから! じゃあな!」
全(一ヶ月半後……。)

実刈のテキトーさに、圧倒された雷門だった。

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参照に、アスペルガーについてのことを乗せておきました。
よければ見ておいて下さい〜。……うん、見ないね^^;