二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夏目友人帳 甘き菓子  ( No.57 )
日時: 2012/06/02 16:19
名前: 睦月 (ID: pm796894)

「…悪い。」

おれは帰ろうとする2人に向かってそう言った。

「え?どうかしたか?」

「どうかしたの?夏目君。」

2人は靴をはき終わり、こちらを向く。

「なんか…無理やり追い出しちゃって…。」

「なんだ…そんなことをか?気にするなよ?」

「ええ。そうよ、夏目君が気にすることなんて何も無いわ。」

2人とも、おれに向かって笑ってくれた。とても温かくて…。

「…ああ。」

「よし、じゃあおれ達は帰るな。」

「バイバイ、夏目君。」

「…ああ、気をつけてな…。」

2人がおれの視界から消えていく。そして、少し寒い風がおれに当たる。

「……。」

おれはただ外を眺めた。
2人とも優しいんだ。だから、おれに迷惑がかからないように気を使ってくれる。けど…

「その優しさが、おれはときどき怖いんだ。」

あの笑顔さえ、おれは無理やり作らせているんじゃないかと思ってしまう。そして、おれはその笑顔を壊してしまうんじゃないかって…。