二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照600超感謝】 ( No.100 )
日時: 2012/04/17 21:43
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

45話「大人と子供」


空「着いたっ…新選組」

空の眼は泣き腫らしており、赤くなっていた。
すっと屯所内に入ると、そこでは隊士達が忙しそうに動いていた。
空は違和感のないようにさかさかと動き、千鶴を探した。
と、後ろから声を掛けられる。

千鶴「空さんっ!」
空「千鶴…さん」

千鶴の姿を見るなり、空が又泣こうとする。
だが、堪える。
空の眼には涙が溜まっていた。

千鶴「良かったっ…!探してたんですよ。海さんは…?」
空「それが、海は…ってぁ゛あ!?」

海が居ない理由を答えようとしたとき、空の衿を誰かが掴む。
思い切り掴まれて上に上げられたので、身長が大きい者だとは分かる。
持ち上げられた空は驚きの声を上げた。
後ろを振り返れない空の代わりに、千鶴が言う。

千鶴「君菊さん!!」
空「え、君菊さん!?」

空も驚く。
空の後ろでは、少し汗をかき、呼吸の乱れた君菊が居た。
ずっと空を追って来た君菊だったが、途中で空を見失ってしまったのだ。

君菊「やっと見つけました、空…。千姫様の話を全て聞いていないでしょう。戻りますよ」
千鶴「あの、君菊さん。海さんは…」
君菊「今は千姫様の下に居りますよ」
空「それほんと!?うs「空!少し黙りなさい」

空が抗議しようとしたが、君菊に止められる。
止められた空は、力なくされるがままの状態になった。
君菊は千鶴に一礼すると、其の場に風を残し消えた。

———

空「海は!?やっぱり居ないよ!君菊さん!!?」

空は千姫の屋敷につくなり叫んだ。
そこに海の姿は見えなかった。

君菊「まずは千姫様が話すことがあります。前に着なさい」
空「ねぇったら、君菊さん!」
君菊「空…。貴女は少し大人になりなさい!海の方がよっぽどしっかりしていますよ!…さぁ」

空が俯いて正座をした。
千姫は直に現れる。
そして空に顔を上げるように言う。

千「空。貴女に言っておかなければならないことがあります」

千姫は躊躇しながらも、はっきりと言った。
空は嫌な予感しかしないが、耳を傾ける。

千「海は…私の下を去りました。これから風間につくでしょう」