PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照800超感謝】 ( No.116 )
- 日時: 2012/05/19 17:06
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
56話「遠き日の誓い」
そのころ風間の屋敷。主のまだ帰ってきていない屋敷で、
海は空から取り上げた刀に見入っていた。
匡「おっ、まだ見てんのか。珍しいな。お前が何かに対して
夢中になるなんて。」
海「…そうではないのです。」
不知火の台詞に、海は静かに首を振って答えた。
匡「違う?」
刀を天にかざし、海が眉をひそめて説明した。
海「本来なら、鞘から抜くと同時に蒼く眩しい光を放つはず。
しかし、貴方にも分かると思いますが。」
匡「どっからどう見ても、人間の持ってるようなただの刀だな。」
不知火が言葉を引き継いだ。そう。今海の刀は光など微塵も
発しておらず、鈍い銀色に反射するのみ。
海「…どういう事なんだ?」
そのころ新選組屯所屯所。
千「ねぇ空、その刀を抜いてごらんなさい。」
不思議そうな顔をしたが、躊躇いもなく空は刀を抜いた。
空「えぇ、何でっ!?」
その顔が驚きに歪む。千もため息をついた。
千「やはり…」
土「おい、どういう事だ?」
空「何で!?どうして紅く光らないの!?」
沖「光る…?」
幹部達は訳が分らず、会話の流れから外れてしまう。
千「空、よくお聞きなさい。」
千姫が静かに語り出した。その声音に圧倒され、その場が静まり返る。
千「貴方達の祖先は昔、刀と血に、ある誓いをしたの。」
空「ち、誓い…?」
千「そう、刀を相手から奪った場合、その刀の能力を、相手の手に
戻るまで封じてしまう…という、誓いをね。」
君「これは、刀を受け継ぐ者には知らされない、一族の秘密です。」
その場に静寂が降り立った。聞こえるのは、千鶴の小さな呼吸の
音だけだった。
PR