二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照1000突破感謝】 ( No.133 )
日時: 2012/06/26 21:56
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
参照: うし、テスト終わったぜ!結果は如何あれ、これで俺は自由だぁぁぁああ!!!←

71話「仕事の時間」


海と匡は風間家に降り立った。
空を殺せなかったという不満から、海の表情はむすっとしていた。
そんな海を見て、匡が海の頭にぽん、と手をのせる。
子供のように扱われた海の顔は、更にむすぅっとしていった。
海は匡を見上げる。
頭一個半程身長に差がある海と匡。
海は遠く高くにある匡の顔を睨むように見た。

海「不知火さん、私と海の決着が【ワザと】付かないようにしてませんか?」
匡「してねェよ。偶々だ」
海「偶々、ですか。信じておきますよ」

海は、頭にのせられた手を軽く払って、さっさと進んでいった。
風間一派に移り、今まで空と戦ってきた場面を思い浮かべる。
空を殺そうとする度、止められてきている様な感じがした。

海(まぁ、止められる前に私がアイツを殺せば良い話なのだが)

海の口端は上がる。
が、直ぐ元の海、無表情に戻る。
海はくっ、と喉元で嘲笑うように笑う。
そして、くるりと半身振り返った。

海「さぁ、仕事の時間でしょう?行きますよ。新選組に。…あいつ等にも会えるでしょうし…ね?」

匡は一瞬ぽかんとした表情をしたが、直ぐに理解したように口端を持ち上げた。
海の近くまで歩み寄ると、海を見下ろし、何時もの明るい笑顔で笑い掛ける。

匡「ああ。楽しみだなァ?行くぜ。仕事だ、仕事」
海「ええ、楽しみです。行きましょう」

二人は並んで歩いていった。

———

千「っ!大丈夫!?君菊!」

海と匡が居なくなった場所をずっと睨んでいた千だったが、我に返ったように君菊のほうを見た。
君菊も千と同じ処を睨んでいたが、脇腹を強く抑えていた。
流れる血は止まる気配を見せず、未だ流れ出ている。
そろそろ貧血気味になってきたのか、汗を垂らしつつ、顔は真青だ。

空「と、とりあえず、応急処置だけでも!」

空は焦りながら晒を取り出した。
そして、君菊の前でしゃがみ込む。

空「失礼しますっ」
君菊「す、すみません…」
空「い、いえ」

空は急いで応急処置といえるものをした。
千も、取り合えずは溜息をつく。
それはとても湿っぽかった。

空「そ、そういえば!!」

空はいきなり大声を出す。
それに、千も君菊も驚く。

千「どうしたの、空?」
空「海達…!新選組を、千鶴さんを襲うって言ってませんでした!?」
千「!そういえばそうね!空、今すぐ千鶴ちゃん達に連絡して!」

空は、千に言われると弾き出されたように頷き、風になった。
それを見送ると、千は君菊を担いで立ち上がる。

千「さぁ、私達も行きましょう。貴女は休んでて良いわ。無理しないで頂戴?」
君菊「はい…。御役に、立てず…申し訳ありま、せん…」
千「良いのよ。急ぎましょう!」
君菊「はい…っ!」

その瞬間、其処には誰も居なかった。