二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.19 )
日時: 2012/01/24 21:02
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

6話「巡察の中で」

原田に巡察に誘われた千鶴。その後ろには海と空が控えている。
空「ね—海、原田左之助ってさ、いい人っぽいよね。」
海「そうだとしても、千鶴様に害をなすようならば、斬る。」
空「うわっ、寒…いや冷たっ!もう。…あ、千鶴さんお待ちをー。」
足早に行ってしまった二人を空が追い掛け、海も後を追って駆け出…
そうとして思いとどまった。
海「っ!今のは…まさか、な?」
自分の横を歩いて行った千鶴と同じくらいの美少女の背中を、海は
少しの間見つめていた。
海「気のせいか。あの人が此処に、京に居る筈が無い。」
無表情に戻ると、浅黄色の羽織を追い駆けた。額の冷や汗も、いつの
間にか引っ込んでいた。

—所変わって京の路地裏。先程海とすれ違った少女は、そこで立ち
止まった。
?「…クス。気付かれた、かなぁ?」
彼女達が去っていった方向を見ながら微笑をこぼすと、その美少女…
…の姿をした南雲薫は、足早に去って行った。

空「ふー、終了。千鶴さん、疲れていませんか?」
雪「あ、はい。大丈夫です。」
海「このまま外にいてはお身体に障ります。中へ。」
丁寧な動作で、海は千鶴を部屋に連れて行った。そして戸が閉まると
同時に空が訊いてきた。
空「ねぇ海、さっきはどうして止まってたの?」
海「………何でも。」
空「ふぅん?ま、いいけどね。」
海の深刻そうな顔色には気付かず、空はいつも通リ能天気だった。
空「でも今日は冷えるね。雪降ったら雪だるま作ろっかな♪」
海「餓鬼かお前は。私達の任務は千鶴様の警護だ。」
軽く突っ込んでから、二人で空を見上げた。
今日は本当に冷えている。今夜にでも雪が降り、明日の朝には大量に
白雪が降り積もる事だろう。