二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.20 )
日時: 2012/01/25 19:24
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

7話「雪の降る日は」


只今の時刻、卯の時。
今で言う5時過ぎ程。
海は千鶴の寝ている隣の部屋で起きた。
空はまだ、全く起きる気配がない。
今日はかなりの冷え込みだ。
海が着替え終わり、ぱんっと障子を開けると、目の前には雪景色が広がっていた。
冷たい空気が部屋を一回りする。
海は空の元まで行くと、頬を叩く。

海「起きろ、空!」
空「嫌・・・。寒いもん。あと半刻くらい寝かせて・・・」
海「雪が積もったが?千鶴様が起きられるまでなら遊ばせてやる。但し、後3秒以内に起きろ。ひ」

そう言った瞬間、空ががばあっと起き上がった。
海は半ば呆れて空の服を拾い上げ、空の前で落とす。

空「寒いぃぃ」
海「私は先に行く。千鶴様が何時起きられても良いように」
空「待って待って!!」

空は急いで海の後を追った。
海は庭に出て、柵に腰をかける。
空が早速雪球を作り始めた。
それを・・・

空「えーいっっ」

海に向かって思い切り投げる。
そんな状況を見た海だが、雪球を擦れ擦れでかわした。
頭をほんの少し右にずらしただけだったが。
海のよけた雪球は勢いよく飛んでいき、後ろの柱に打つかって砕けた。

空「なんで避けるのさぁー!」
海「あほか。正面から投げられて避けない奴が居るとでも?」
空「むぅぅー」

空は、沢山作ってある雪球を、自棄になって思い切り投げる。
海はそれを全てかわした。
その時、空の投げた雪球が、千鶴の部屋方面へ飛んでいく。
障子が少し開いているので、海は、千鶴が出てくると諭した。
素早く千鶴の部屋前まで移動し、出てきた千鶴を抱き上げる。
そして、海や空の部屋の前まで移動した。
千鶴は状況をイマイチつかめていない。
海は怒鳴った。

海「この馬鹿者がぁぁぁあああ!!!!」
空「ひぇぇっ!!御免なさいぃぃぃいいいい」

その声に反応した平助が床から出てくる。
まだ寝ぼけていて、髪に寝癖がついていた。

平「何・・・。五月蠅いなぁ」

海は平助を無視して千鶴に言う。

海「千鶴様、ご無事で何よりです。空が申し訳ありません」
千鶴「いえ・・・。でも、一体何が?」
海「こんな所に長居すると、お体が冷えてしまいます。さ、食事床まで参りましょう」

千鶴の問いには答えず、にっこりと笑って言った。
そして幹部が待っている部屋へと2人は向かって行った。
取り残された空と平助は、ぽつーんとその場に立っていた。
空は、何か企む様な顔をすると、雪球を1つ、作った。