二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.23 )
- 日時: 2012/01/29 21:52
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
9話「尊敬の意に反して」
海「風間様、何故此処に?そして何故千鶴様を狙うのです?」
千景「フン・・・。お前はたしか白里 海だな」
海「私の様な者の名前など覚えていて下さり光栄です・・・ですが質問に答えて頂いていませんが?」
海は千鶴の右前で千景を睨む。
その眼には殺意が篭っていたが、少々光が揺らいでいるようにも見える。
空は千鶴の左前に居たが、むーと口を尖らせる。
空「風間さんッ!あたしはぁ!??」
千景「お前も隣の奴と同じ里の黒里 空だろう?何故此処に居る?」
海「質問に答えろと言っている!」
海は先程よりも語句を強めた。
海の手は既に刀へと添えられて、今にも抜きそうな状態だ。
千景はやれやれとでも言いたげに刀を抜く。
そんな千景を見て、空も刀を抜いた。
千景「俺が此処に居る理由は只弌だ」
海も抜刀し、構える。
空の刀は蒼い月の様に光っている。
海の刀は紅い太陽の様に光っている。
千景が次の言葉を発すと同時に、地を蹴った。
千景「女鬼、雪村千鶴を俺の嫁にするためだ」
海「・・・下劣な!」
空「そんな理由で襲って来ないでよぉ!」
海が千景と対峙する。
空は千鶴の前に行くと、構えなおす。
そんな空を見て、海は怒鳴った。
海「空!お前は千鶴様を連れて屯所の奥に戻れ!早く!!」
空「分かった!千鶴さん、こっちこっち!」
千鶴「はい・・・っ」
海は空と千鶴が去ったのを見ると、千景に向き直る。
刀同士はもう離れていた。
海はまだ千景を睨んでいたが、睨みながら口を開く。
海「私は貴方の事は尊敬していますよ、風間様」
千景「ほう・・・?」
海「だけれども、この様な事をしているとは如何なものかと」
千景「全て俺の欲望だ。お前が口出しするのも如何かと思うがな」
海「それもそうですね。千姫様の命令なので、私の意には反しているのですが、御無礼をお許し下さい」
そう言って、二人はまた刀を構え直す。
そして次の瞬間。
刀同士が叩き付け合う音が、屯所内に響き渡った。