二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照400超感謝】 ( No.64 )
- 日時: 2012/03/20 15:10
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
27話「同じ光景」
千「あ、千鶴ちゃん!こっちこっち〜」
その後、近藤さんに笑顔で説得された土方と共に、千鶴と海、空、幹部達は花見をしに八瀬の里に来ていた。
来る時も来る時で、「こんな事してていいのかよ……?」と土方がぼやいていた。
千鶴「お千ちゃん!」
千は、千鶴を見つけると呼びかける。
千鶴は、そんな千を見つけてぱっと笑顔になった。
千は一人らしく、周りに君菊の姿は見当たらなかった。
そんな千をみて、海が焦る。
海「姫様!君菊さんも付けずに無防備な…!」
千「相変らず心配性ね、海は。大丈夫よ」
海「ですが…!」
反抗して何かを言おうとした海を、「平気平気」と千が嗜める。
海ははぁ、と溜息をついた。
やはり千が心配なのであった。
空は、千鶴の隣でにこにこ笑っていた。
そんな空を見て、千が苦笑いをする。
千「すっかり千鶴ちゃんに懐いたわね、空」
空「へ。駄目でした?」
千「良いのよ」
海「空、貴様、私達が千姫様直属だという事を忘れたわけではあるまいな」
空「あ、そっか」
空は今思い出したかのように言った。
その空の反応に、海はもう少しで空の腹に蹴りを入れていたかもしれない。
が、海はじっと我慢した。
そして下を向きぷるぷる震えながら、千に言う。
海「申し訳ありません、千姫様…」
千「あ、貴女が謝る事では無いのよ」
千はそう言いながらやはり苦笑した。
空は状況が読めていないかのように海と千を交互に見ていた。
左「それにしてもすげぇなぁ。もう桜が満開たぁ」
新「これは酒の飲みがいがあるな!」
平「また新八っつぁん酒の事ばっか…」
左之助が感嘆の声をあげ、新八が酒の事を考え、平助が新八の考えにつっこむ。
まぁ、何時もの通りと言えば、何時もの通りだった。
総「ほんと、満開で綺麗だねぇ」
一「ああ。見事だな」
総司と一が、静かに桜を見上げていた。
二人とものほほんと落ち着いていた。
総「土方さん、この桜で一句どうですか?発句集に詩が増えますよ」
が、総司が土方をおちょくる。
土方は桜を見上げしばしじっとしていたが、総司におちょくられた瞬間鬼の形相を向ける。
鬼の顔の土方を見ても、総司はにこにこしたまま黒い笑みを向けていた。
ぷちっと何かが切れる音がした。
土「うっせぇぞ総司ぃぃい!!!」
総「あっはははー」
土方が追いかけ、総司が逃げる。
そんな光景を見て、一は溜息をついた。
こちらも、何時もと同じと言えば同じ光景だった。
そんな皆を見て、近藤も笑う。
近「あっはっは!皆元気で良いじゃないか!」
そんな新選組幹部達を見て、千も笑った。
千「相変らず、元気な人達ね」