二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照500超感謝】 ( No.79 )
日時: 2012/04/04 19:06
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

35話「過ち」


千鶴「あの、海さん?」

何の前触れも無く海の居る部屋の障子が開く。
海はばっと反射的に刀を抜き、振り返る。
が、その主が千鶴だと分かると、すぐさま刀を戻して跪いた。

海「申し訳ありません!誰だか分からず、ついこの様な反応を…!!」
千鶴「大丈夫ですよ…て、海さん、文でも書かれてたんですか?」

千鶴の問いに、海の肩がびくっと震える。
急に文机の方を向き、その紙を折り畳んだ。
千鶴は、疑問な顔をしている。

海「いえ、これはちょっと。お気になさらず」

何も無かった様にはぐらかした。

海「そういえば、千鶴様は如何してここに?」
千鶴「あ、そうでした。寝ている方々が起きたので、夕餉にしようと」
海「そうですか…。では、ご一緒させて戴きましょう」

海はよいせと立ち上がる。
そして千鶴と一緒に出て行った。
文机の上には、まだ文らしき紙が置いてあった。

———

海「おい、空!!本当にお前という奴は…「あー、はいはい」」

夕餉の支度が整った部屋に行き、海が空の事を確認すると、お説教タイムが始まった。
空は慣れているらしく、華麗に海の説教を右から左でスルーしていった。

海「おい、聞いているのか!?」
空「あーうん。聞いてる聞いてる」

千鶴(ああいうところを見ていると、沖田さんと斎藤さんに似てるかも)

千鶴は、空と海を幹部達と比較していた。
土方と海は、夕餉が終わるまでくだくだと文句を言っていた。

空「ごちそーさまでーしたっ」

ぱんっと手を合わせて言うと、空は思い切り走って自室へ戻っていった。
そして、土煙を立たせて廊下を下る。
ききぃーっとブレーキをかけて自室の前で止まって、ぱんっと障子を開ける。
すると其処には、何か面白い物が置いてあると、空は思った。

空「之、何だろ」

空の眼は、文机に向いた。
そして、ぺりっと開いてみる。
その文は、2、3枚に重ねられて続いている。
空は、その文の1枚目から順に読んでいった。
海はいやな予感がし、飯を途中で終わらせて、自室へ向かう。
空のように走ったりはしなかったが、それでも空と同じ位の速さで部屋についた。
其処には、海の書いた文を読んでいる空が居た。
海は空を睨み付けながらも動けず、驚愕している。

海「そ、空、貴様…!!」
空「海こそ、何で、こんな文…!」