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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志【参照500超感謝】 ( No.89 )
- 日時: 2012/04/10 17:41
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
40話「晴天の下」
騒ぎが起きたのは朝。天気はとても良い。騒ぎの発端は千鶴だった。
雪「えええぇえぇぇええ!!!??」
ものすごい声が聞こえ、幹部達が慌てて駆け付けたのは海と空の部屋
だった。千鶴が紙を持って座り込んでいる。
土「どうした!」
雪「ひ、土方さん!これっ…」
涙声で千鶴が差し出してきた紙に、文字が書かれていた。書いたのは
海一人のようだ。
原「おいおい、どういう事だよ…」
その紙には、たったの4文字しか書かれていなかった。しかし、新選組の者達に大きな衝撃を与えた。
雪「海さん…」
その紙には一言。—『さよなら』。それだけだ。
斎「副長。」
斎藤が、珍しく声に焦りを滲ませて部屋に入ってきた。
土「おう、どうした?」
斎「それが…屯所内の何処にも、白里の姿がありません。」
土「何だと?」
雪「空さんまで!?」
屯所から二人の鬼が消え、幹部達は騒然となった。心配そうに顔を
歪める者もいれば、『ふざけやがって』と舌打ちする者もいる。
雪「どうして……」
千鶴は紙を握ったまま、じっと涙を堪える。気を抜けば泣いてしまい
そうだったからだ。そうする事しか、できなかった。
同時刻、千姫の屋敷—。
千「……二人は?」
君「別室で休ませております。」
頷くと、千は湯呑に口を付ける。茶を一口飲んでから、重そうなため息をつく。
千「厄介な事になりそうね…。」
君「と、いいますと?」
千「はっきりとは分からないけど。鬼の世が揺らぐ気がするわ。」
その台詞を聞いて、さすがの君菊も息をのんだ。
千「……はぁ。」
決して穏やかとは言えない朝を、新選組と鬼達は迎えたのである。
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