二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂・オリジナル小説 ( No.4 )
日時: 2012/01/21 15:41
名前: みーぽん (ID: ouuVQhrA)

第四話。
シリアスめで、ほぼ美琴メイン。
なにげにあの人初登場です。
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それは、雪が振る冬の夜の事。

少女が一人、暗い路地を歩いていた。

真っ白のコートに身を包み、手には綺麗な細工がされたマスケット銃が握られている。

それだけで、彼女がただ者では無いと分かる。

ツインテールを揺らしながら黙々と歩き続け、ぴたり、と止まった。

少女の瞳に、10数名の人影が映る。

すると少女は、何の躊躇いも無く、マスケット銃を構え、引き金を引いた。

ダンッ、という音が響く。

「おいっ…お前」

異変に気づいた男たちが、少女の方を見る。

男たちが腰の刀に手を掛ける間もなく、少女の手が動いた。

立て続けに響く銃声。

ばたりと倒れる、男たち。

相手も反撃に出た。

刀を振りかざし、少女に向かって突進してくる。

「っ——」

刃先が少し、少女の腕をかすった。

必死で避けると、相手に向かって引き金を引く。

後ろからも数名、刀を持った者が来る。

少女はマスケット銃を振り回し、向かってくる人を全て払い倒した。

そして、更に弾丸を撃つ。

動くものは、彼女しかいなくなった。


「ふぅ…」

溜め息をつき、地面を見やる。

そこは血の海と化していた。

その様子に一瞬顔をしかめ、少女はコートのポケットから携帯電話を取り出した。

「ノブちゃんに、報告しなきゃ…」

呟いて、タタタタとボタンを連打。

すぐに携帯電話をしまい、銃を持って歩き出した。



人気のない町を、無言で歩く少女。

しかし、ふいにはっと振り返った。

後ろから、人影が近づいてきている。

彼女と正反対の黒いコートに栗色の髪の、若い男性。

その男は、少女に声をかけた。

「こんな時間になにしてるんでィ」

「…散歩です」

警戒するような目線を向け、答えた。

「そんな物騒なもの持ってか?」

少女の手にあるマスケット銃を指差す。

「別に何だっていいでしょう」

「いいわけあるか」

男が呟いた。

「おめぇ…もしかして、見廻組か?」

「だからどうだって言うんですか。真選組の隊士さん」

そう言って、さっさと立ち去ろうとする。

しかし、次の言葉で立ち止まった。

「お前んトコ、今井信女っていう女、居ただろ」

「…『居た』じゃなくて、居ますよ」

なぜこの男が彼女のことを知っているのか、という表情になった少女。

「…そうか」

それだけ言うと、目を伏せた。

「じゃあ、その女に伝えといてくだせィ。『今度は殺す』って」

「は?」

目をぱちくりさせる少女。

男は、少女を残したまま、歩いていってしまった。

「何、あの人…」

男の後ろ姿を見ながら、少女が呟いた。


少女がその男の正体に気づくのは、まだ先の話。

        〈fin〉
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またまたの駄文でしたが、見てくださってありがとうございました。
これからもがんばりますので、応援宜しくお願いします。