二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夢中結愛信仰歌/リク短編受け付け中 【inzm】 ( No.33 )
- 日時: 2012/02/19 18:06
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
- 参照: ばれんたいんでぃ
「バレンタインデー……か。」
丁度お日様が空高く上がったお昼時。
自室で一人、朝から敷っぱなしの布団に転がった結祈は呟く。此処、京都が寒波に見回れ低温と激しい風に悩まされること早一週間。ガタガタと揺れる窓の音にも少し慣れ不快感も大分軽減した今日この頃。
「バレンタイン……ねぇ。」
再度同じような言葉を紡いだ彼女は、むくりと置き上がる。
がたがた揺れる窓とぐちゃぐちゃになった布団には目もくれずふっと彼女が目を移したのは自身の勉強机の上。詳しく言うなれば、その上の薄い桃色の小さな箱。
「僕の家、仏教……ってか寺院なんだけどな。バレンタインってキリスト教だよ?」
それに手を伸ばし、掴み、苦く微笑む。
遠く、鐘が風情ある音を造る。
それを合図にしたかのように、無意識に動き出した体はぐずる感情とは裏腹にやるべきことを分かっているようで。何時も何時も幼い頃から慣れ親しんでいた音を疎ましいと思いつつもそれは正しい行動であって。
財布とケータイ、甘い香りの立つ箱を羽織ったばかりのコートに突っ込み部屋、家を出た。
お世辞にも良いとは言い切れない天気に憂鬱という自分の感情を重ねては少し気を軽くするように努めてみる。まぁ、多少の気の紛れにしかならないことは分かっていても。
目的地まで後少し、自然に早まる足は寒さからか、それとも彼に会えるからか、どんどんと動きをはやくしていって仕舞いには走り出す。
乾ききった空気が喉に痛い。でもそんなことなんて気にしてられなくて。
「!!」
ちらりと目の端に赤が泳ぐのが見えた瞬間、
足が止まって、
呼吸が苦しくなって、
心臓がありえないくらい音をたてて、
急に体が火照って、
あぁ、やっぱり今日の僕は可笑しい。普段ならこんな運動何ともないのに。
急に立ち止まった僕に気がいたのか、駆け寄ってくる彼。
あぁ、ホントに今日は可笑しい。
「……月が綺麗ですね。」
「何?会って第一声が……ってか今昼だぞ?」
いつもならもっと素直に“I Love You ”って言えるのにね。
戸惑う彼に僕が思いっきり抱きついたのは赤い顔を隠すためと、
「なぁ、今の言葉ってどういう意味なんだ?」
「煩い黙れ、根腐れチューリップ……。」
( 君は理解能力ってもんが無いから、英語なんてわかんないでしょ? )
( 英語じゃなくて日本語で言ってやったんだ、感謝してよね )
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ツンデレ(?)結祈と鈍感南雲が書きたかったの!!
んだら見事にいみふめいだよ。
“月が綺麗ですね”は意味が知りたかったらぐぐってくらさい。自分で書くのは恥ずかしいn((