二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夢中結愛信仰歌/リク短編受け付け中 【inzm】 ( No.42 )
- 日時: 2012/02/24 14:24
- 名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)
- 参照: 時間が無いため本編更新先にします!!
−04−
「あ、そうだ。僕って生徒会の仕事で此処まで来てたんだったっけ。」
フィールドの緑を跳ね回る白黒の球に目を向けつつ朗らかに笑う。
あたかも思い出したように言うが仕事放棄に対する焦りも驚きも反省も伺えない顔に、はっきり“確信犯”と書いてあることはお約束。隣に立つ木暮でさえも呆れかえる程彼女の性格の悪さ、やる気の無さは一般常識の斜め上を行くのだ。
「天咲さんが不憫だね。」
「そうだねー、まぁ良いんじゃない?」
木暮の皮肉にも表情一つ変えずに答える。
正直者が馬鹿を見る世界に視線を合わせながら。
「それが奏始の“生き方”なんだろうし……ね?」
ふうわり微笑む彼女の中に、一瞬黒い影を見る。
「……ん?」
校舎を出て、最初に目に付いたのは
多少見慣れたサッカー部の奴らではなく、
多少見慣れた寺のような校舎でもなく、
多少見慣れた教職員でもなく、
欠片も視界に入ったことの無い、
「……ばす?」
古風な此処にはいくら譲歩しても似合わないであろう青と黄色の乗り物。
嫌々ながらも打ち合わせのために数回通った此処、隣校だけあり部活では何度となく通った此処。何度も何度も上り下りした石段と鮮やかな竹林もしっかり覚えている。
だが、
「……こんなバスこの学校に無かったよな?」
ふと首を傾げる、赤い瞳が揺れる。
*
———— 「 、」
暗がりに一人。小さな少年の姿。
淡い銀髪と虚ろな空色の瞳、明らかにサイズのあっていないパーカーの袖はずるずると床に衣擦れの音を生み出す。
「……、」
彷徨う視線は留まることを知らない。
“ Openitenziagite, ”
「————
Penitenziagite、」
*