二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夢中結愛信仰歌 【inzm】 ( No.83 )
- 日時: 2012/05/14 14:38
- 名前: 颯 (ID: fofSlf5T)
- 参照: パスが間違ってて編集出来ない!
-03-
あぁ、全くもってあり得ない。
「グロリア……今、なんだって?」
白色の少女、エディは静かに問い返した。
其処は白い白い森。
どこか神々しい雰囲気を纏う此処は、エディことエディータの庭に等しい存在である。
かなりの広さを誇る森は、そう簡単に入り込める場所ではなく、脱出も難しい。もとより、並の人間が近づけるようなモノでは絶対にない。
そんな不思議な森。
そして今、其処の主は風に流れる白髪を片手で押さえ、露骨に顔を歪めていた。
何故か。それは理由を問う間でもなく、彼女が見つめる“この世界に置ける異物”のせい。
基、純白の世界に姿を現した、
「そのままの意味です。だってせっかく駒が出揃いだしたのですから……いかかですか?」
黒の異端者グローリア・ウェルディ、その人だったから。
優しく誘いを掛けてくる異端者は、優しい優しい声音で言うのだ。
「せっかくの機会でしょう?私も、貴女も。だから、もう一度だけ申します、
私と、“戦争”をしませんか?」
そんなまさか、冗談じゃない。
(それは壮大過ぎる遺物達の遊戯。)
「あぁっ!音無!!」
広いサッカーコートに響いた、少年の快活な声。
オレンジのバンダナが印象的な雷門中サッカー部キャプテン、円堂は暫く姿を眩ましていたマネージャーの姓を空高く叫んだ。
「……ん?」
その後ろ、振動する携帯電話を片手に鬼道は首を傾げた。
画面に映るのは090から始まるダイヤルナンバー、ゴシック体で記された発信者名は紛れもなく『神坂祈守』。
「はぁ?四日後に練習試合?ふざけないでくれよ……。」
“僕は断じて出ないぞ。”と、青黒い瞳は語る。
「……ちゃんとユニフォーム準備しとけよ?」
“お前の意見なんて聞かねぇんだよ。”と、赤い瞳は少女の戯言をねじ伏せた。
「なぁなぁ、永恋。アイツらってさぁ……本当に俺らと同じ《****》なんだよな?」
「……“The Fool”と“The Hierophant”、のはずよ?私にはそう見えたから。」
配置済の駒達は盤上で静かに、疑いをかけた。