二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

—想— 第一話 ( No.8 )
日時: 2012/03/06 22:33
名前: 雪華 (ID: lCnzC4GH)

Episode1、 —想—



(1)ハジマリ

















「See you again———“アイトウカ”。」



金色の風が一陣吹いた。
ゴールへと突き刺さる見事なシュートに歓声を上げる通りすがりの見物客。それに対し、呆然と正面の少女を凝視するGK。
そのまま時間は刻一刻と過ぎていった。
フィールドの沈黙を破ったのは———可哀想なゴールキーパーの呻き。
消えゆく意識のなか、地に突っ伏した彼は一言呟く。



「これがオマエのサッカーなのか・・・白鳥?」



チェックメイト。
さあどうなのかな、と哀零は自らが倒したGKを見下げ薄ら笑った。



「“仲間”や“友情”なんて不確かな言葉は嫌いなんだ。
 そしてそんな言葉を軽々しく使っている奴を見ていると、サッカーを汚し尽くしたくなる。
 そのためにわたしは魔女になるんだ———オマエ等みたいな奴を絶望の淵に追いやってみたいから、」






  “いつか必ずオワらせてあげるから待っててよ。”


青空の下。
少女が放った言葉はどこまでも黒く、そして幼い子供の夢のように儚い。