二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: インフィニット・ストラトス 黄金の転生者 ( No.6 )
日時: 2012/04/15 18:32
名前: キャキャロット (ID: ftamISp/)

ここは、第三アリーナ上空二つのISが宙に静止していた。

だが、一つはISというより『衣装』のようだ。

「それが貴方のISですの?」
青のISを纏う少女、セシリア・オルコットは目の前にいる男子に聞く。

「ああ、これが俺の専用機だ。」
臆することもなく、クールな口調で答えるゴジータ・サイヤン。

するとセシリアは声を立てて笑う。

「おほほほほ、それがISですか。『衣装』にしか見えませんわ。」

実際、比べると大きな違いがある。機械には見えないISだ。

観客からも声がする。

「セシリアさんの言う通りだね…」

「これはセシリアさんの勝ちだね」

ちなみに、観客席にいるのは1年1組の生徒だ。一人声を荒げている者がいる。篠ノ之箒だ。

「姉さんは一体何を作っているんだ。」
ゴジータのISを見てふざけていると思ったのだろう。だがそれをベジットが止める。

「まあまあ落ち着けってあれは希望して頼んだためこうなったんだよ。」

「それはどういうことだ?」
箒の隣の一夏が聞いてきた。
だが、ベジットは

「試合を見ればわかる。」
と答えただけである。

さらに聞こうとする一夏だが無駄だと悟りアリーナを向く。


「チャンスをやりますわ。」
セシリアが銃をかまえ言う。

「今のうちですよ、降参するのは。」
だがゴジータはふん、と鼻で笑った。

「その言葉そっくりそのまま返すぜ。」

「そうですか。ならばサヨナラですわ。」
銃の引き金を引くセシリア。銃口から出たエネルギー弾は真っ直ぐゴジータの顔面に向かう。
しかし、それは当たらずにすり抜けていった。

「セシリア、俺の全力を見せてやる。」
ゴジータは地面すれすれまで降りる。

「何をするかわかりませんが見せて御覧なさい。」
余裕を見せつけるセシリア。

「ならばいくぞ。…ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

気合をいれるゴジータ。すると金色のオーラが激しく噴き出る。

「アアアアアアア!!!!・・・・・しゃあ−−−!!!!!」

バシュンと光が吹き飛びそこにいたのは、先ほどとは違い、金色の逆だった髪を持ち、力強い碧の瞳を持つゴジータがいた。

「あ、あなたはいったい何者ですの」
目の前に現れた戦士に信じられず質問するセシリア。

「俺か?俺は…貴様を倒すものだ!」
セシリアに向かって叫ぶゴジータ。

一方観客席では…

「うそー!ゴジータ君が変わった!!」

「ねえねえあれって隕石から地球を救った人にそっくりじゃない?」

「きゃーかっこいい—!!」

女子が歓声を上げていた。

一夏は、
「あーあ、セシリアのやつ怪我しなければいいな」
と言ったがベジットが

「手加減をサポートするISがあっから大丈夫だ」
という。

「手加減をサポート?」

「ああ、俺らはISでも人を殺してしまう可能性がある。だか、それを束さんに頼んで手加減をしやすいようにISを作ってもらったんだ」

次元を超えた話についていけない一夏たち。



「あ、あなたは前…」
セシリアが言葉を出そうとするが、なかなか出ない。

「さて、時間があまりないんでね一気に終わらせる!」
ゴジータが構える。

セシリアがBTをだして攻撃するがすべてかわされる。

「そんなんじゃ俺には勝てねぇぞ!!」
瞬間移動をし、目の前に移動するゴジータ

「きゃあ!」
間合いを詰められ動揺するセシリア。

「そおら!」
膝蹴りの連打で上にあげ、かかと落としで地面にたたきつける。

「ぐ・・ァ…」
機体が地面にめり込みなかなかでれない。その間両手を重ね、前に出す。

「ビックバン…」
手の先には青いエネルギーが集まる。そして、輝きだした。

「かめはめ波——!!」
爆発するように発射されるエネルギー砲、セシリアは地面から抜け出したものの、ビックバンかめはめ波からは逃れることができず食らってしまう。

「キャア−−−−!!」

青い光に飲み込まれ、吹き飛ぶセシリア。


地面に着いたときは、セシリアの機体の周りには大きなクレーターができていた。

試合終了のブザーが鳴る。

——勝者 セシリア・オルコット——


「「「「「はぁ??」」」」」

セシリアと観客は一緒に声を上げた。

セシリアの前に降り立つゴジータ。

「おめでとう。」
金髪から黒髪へと戻ったゴジータが多を差し伸べいう。

「な、なにをなさったの?」
状況が呑み込めないセシリアに説明をするゴジータ。

「シールドエネルギーを全てぶっ放した。んで、エネルギーが無くなった俺は負けたのさ。」

「なぜですの!?」
手を借り立ち上がるセシリア

「なぜそんなことをしたのですの!?」

「それは、代表選にでたくないからさ。それと…」
少し間をおいて言うゴジータ

「それと君には男を嫌う癖がある。それを直すために喧嘩ふっかけたんだ。
その癖はもう治ったから俺は満足だぜ。」

そう言うとセシリアの頭を撫でるゴジータ。

「ふあぁ///!?」

「…よくがんばったなセシリア。よくここまでやってきたな。これからもよろしくなセシリア。」
ふっ、とクールに笑いながら言うゴジータ。過去のセシリアを知っているからこそ言えるセリフだった。

「はいっ!こちらこそよろしくお願いしますわ。///」
照れながらも返事をするセシリア

黄金の戦士と、命を救われた少女との運命の再開がここにあった。

ちなみに、ほかの生徒からジト目で見られるとは思いもしないセシリアだった。




−−−−夕方−−−−−

セシリアはシャワーを浴びていた。少し熱めのお湯が不快な汗を流していく。シャワーを浴びながらセシリアは今日の出来事を思い出していた。

(まさか、あの人が私を助けて下さった方なんて思いもしませんでしたわ。)

黄金に輝く髪を持ち、強い意思のある瞳で戦う戦士の姿が脳裏から離れなかった。

(あれは3年前の事ですわね)

セシリアは家族と旅行に出かけていた。

だが帰るときに乗った列車でハイジャックに遭った。
しかも、オルコット家を狙った犯行だった。

覆面をしている人たちが10人ほどオルコット家のいる車両に乗り込んできた。

目的はオルコット家の暗殺。

母はセシリアを庇って足を負傷している。覆面の一人が引き金を引こうとしたとき、「ドンッ」と爆発音がした。

車両にいた人全員が音の方を見ると黄金の戦士が2人いた。これが、ベジットとゴジータである

覆面の1人が銃を乱射するがゴジータはすべて手で銃弾を受け止めていた。ぽろぽろと指の間から銃弾が零れ落ちていく。

次の瞬間には覆面の人たちは腹に痣をこしらえて倒れ伏していた。

次に、セシリアのところに行き、ベジットがセシリアの母親の傷を治し、その間ゴジータはセシリアに微笑みながら頭を撫でていた。

「もう大丈夫だからな。安心しなよ。」

治療が終わりベジットが立ち上がってゴジータの横に移動する。
セシリアは涙目だったが、だんだん笑顔になっていく。
「またなお嬢ちゃん。頑張るんだぜ。」
軽く手を振りながらセシリアに別れを告げるゴジータ。

「あ、待ってください。私はセシリア・オルコット。貴方達はなんて名前ですか。」

だが、ベジットたちはニッと笑い

「「バイバイ」」

と言って消えてしまった。


(あの後お礼を言おうとして必死になって探したけれど何一つ手がかりが掴めなかった。いつしか私はゴジータさんに恋焦がれていましたわ。)

それは届く事のない恋…セシリアはそう思っていたがそれは届く願いに変わった。

(絶対にこの恋成功させますわ!)

新たなる決意を胸にバスルームを出るセシリアだった。