二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ〜炎天パラメータ〜 ( No.12 )
日時: 2012/04/02 16:32
名前: 周波数3.3 (ID: cA.2PgLu)

第六話


「準備はいいか? 」
「はい、いつでも始めていただいて結構です」

カーンッッ

ああもう、せっかちだなぁ。私が言った途端にゴング鳴らさなくてもいいじゃないか。少しムスッとした表情で、ボールを軽く投げ、ポケモンを出す。


「先手必勝、だよね。シラナミ! みずのはどう! 」
「ゴローン、よけてそのままハクリューにころがるだ」


シラナミと呼ばれたハクリューがみずのはどうをくりだすも、相手はいとも簡単によける。ちっ、よけられた。ゴローンの素早さはあまり高くないけど、転がる速さとなれば話は別。今よけても、完全によけきれなくて攻撃を受けるのがオチ。なら……


「今だ、まもる! 」
「っ、ゴローン、そのまま戻って来い! このゴローンのスピードを前にして冷静に判断できるとは、中々やるな。だが……!
このがんせきふうじ、耐えられるものなら耐えてみろ! 」


タケシの表情に笑みが浮かぶ。バトルを楽しむのは多いに結構。だけどこっちはかなり必死なんだけどなぁ……! この状況で冷静なわけないだろ。ああそうだよ、意地張ってるよ! クールに見せたいんだよ!!

心の中で一人漫才やってる場合じゃない。ゴローンのがんせきふうじは容赦なくシラナミを襲う。最初の何個かは尻尾で弾き返したけれど、段々スピードが追いつかなくて、シラナミの周りはあっという間に岩石で固められてしまう。
とどめだ、とでもいうように上から一際大きな岩石が、シラナミを押しつぶそうと落ちてきた時。最初にシラナミが弾き返した岩石が地面に落ちて、砂埃は舞い、落下音が響いた。当然、視界は悪くなり、音が聞こえにくくなる。

(それでも……! これが決まれば勝てるんだっ……)

どうやらアケビには策があるらしい。けれど、この砂埃と鈍い落下音の中、シラナミに伝わるかどうか。
それでも、やってみないと後悔する。やらないよりは、やった方がいいに決まってる!


「(頼む、届いてくれ……) シラナミ、_______! 」


ありったけの力を声に込めた。数秒遅れて、再びなにか大きな音がする。はたしてそれはシラナミにがんせきふうじが決まった音なのか、シラナミの繰り出した攻撃の音なのか、それは酷い砂埃の所為でわからない。どちらの攻撃のものか、それは定かではないが、砕けた岩石がこちらまで飛んできて、頬を掠める。少し痛い気がする、でも今は対して気にはならない。


暫くして、砂埃が段々となくなり、視界が明るくなる。そこには、


「「(きっと大丈夫/きっと大丈夫だ
だって私の自慢のハクリューなんだから! /なぜなら、オレの自慢のゴローンだからだ! )」」