二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ〜炎天パラメータ〜 ( No.9 )
- 日時: 2012/04/02 16:29
- 名前: 周波数3.3 (ID: cA.2PgLu)
第五話
「んー、折角の旅なんだから、強くなる以外の目的も欲しいよね……。
……っと、なんだあれ」
西の町、ニビシティ。旅にでてみたが、目的が"強くなる"だけではなにか物足りないというもの。なんかいい目的……、と考えているアケビの目についたのは、1枚のポスター。
「"挑戦者歓迎! ニビシティジムリーダー・タケシが受けてたつ!! "
……ふうん、明日の12時ねぇ……。面白そ、いいんじゃん。私も挑戦してみようかな。
今日はポケモンセンターに泊まって……、ついでに皆の体力回復させとくかな」
あんまり弱ってはいないんだけどね。さてさて、お昼は何食べようかな……。カレーでも食べるか、ダジャレになるからカツカレーはやめとこ。
そして翌日(結局昨日はハンバーグ定食を食べました)
11時30分までアケビはだらだらと……、いや、ジム戦に向けての戦略を練っていた。
いざジムに行くべく、ニビシティを歩いていれば所々からぴりぴりとした雰囲気。殺気とかそういう恐ろしいのじゃなくて、闘志みたいな。いよいよか……、なんて気を引き締めた時、女の子の泣き声が微かに聞こえてくる(ここでぴきーん、とアケビの紳士レーダーg(( )。
どうやら近くの公園で7、8歳ぐらいの女の子が泣いているよう。
「どうしたの? お嬢ちゃん」
「ふぇっく……、うぅ……、おねえ、ちゃん……? あの、ね、ヒナのニャーちゃんがね、……ひっく、いなくなっちゃったぁ……」
「それは大変だ、ねえ、ヒナちゃん? そのニャーちゃんは、もしかしてニャースのこと? 」
「うん……、しっぽにね、赤い大きなリボンがついてるの……。……おねえちゃん、ニャーちゃん探してくれるの? 」
「もちろんだよ、お姉ちゃんがニャーちゃんを探してあげるから、ヒナちゃんはあそこのベンチで座って待ってて? ……この子と一緒に」
例え小さな女の子でも、いや。小さな女の子だからこそ断るなんて選択肢は頭の中にない。……何でこんなに泣いている女の子を周りの大人は見捨てておくんだよ。
見て見ぬ振りの大人達に怒りを覚えながらも、それを表に出さないように笑顔でノイズをボールから出す。ちゃんと見ておいてね、と耳打ち(耳がどこか知らないけど)。
「ニャーちゃーん! どこにいるんだー? ……ったく、見つかんないなー。……仕方ね、クオン、デイン、ツバキ。お前達は鼻が利くだろう? 一緒に尻尾に赤い大きなリボンついたニャース、探してくれるかな? 」
出したのは手持ちの中でも特に信頼している中の3匹。それに、この子達は鼻が利くんだ、匂いは嗅ぎ分けられるだろう。
きっと見つけてあげるからね、ヒナちゃん、ニャーちゃん。
そして約2時間後。
ニビシティの入口付近を探していると、デインが駆け寄ってくる。様子からして、見つけたみたい。
「案内、お願いね」
優しくそう伝えれば、私が振り落とされない程度の速さに加減して走ってくれる。そうしてついた場所は、私がいた場所よりかなり離れた民家。よくみると、民家の木の上にぷるぷると子犬のように震えたニャース。尻尾には赤い大きなリボン、間違いない。
気付けば、民家の人も出てきている。…そりゃあ、大型のポケモンが3匹も集まれば気付くか。
「……よっしゃ、此処は根性の見せ所か。すいません、ちょっと登らせてもらいますね」
「あ、あぁ……。気をつけなさいよ? 」
ひょいっ、ひょいっと木を登っていく。木登りなんて、ちっさい時に何回もしたったっつーの。
幸いにもあんまり高いところにいなかったから、簡単に辿り着けた。そーっとニャースに手を延ばし、がっちりと抱きかかえる。暴れなくてよかった……、なんて安堵しているのも束の間。いきなりニャースが手の甲を引っ掻いてくる。なんだよ、そんなに思いっきり引っ掻かなくても……!
痛みで体制を崩しそうになるけど、なんとか持ちこたえて、無事木から降りる。
「ご迷惑、おかけしました。……クオン、デイン、戻って。今度はツバキが乗せてくれる? 全速力で大丈夫だから」
民家の人に一言謝罪してツバキに跨る。あー、ヒナちゃん泣いてないかな、とか思いながら。
「ヒナちゃん、遅くなってごめんね。……ほら、ニャーちゃんだよ」
「わぁ……! ニャーちゃん、どこいってたの? ヒナ、心配したよ……。
お姉ちゃん、ありがとね! 」
「いえいえ、これからはちゃんと見ておくんだよ?
ノイズもご苦労様、ツバキもね。戻って、ゆっくりお休み」
2匹をボールに戻す。ヒナちゃんは手を振りながら去って行った。うーん、あの笑顔は反則だなぁ。可愛すぎるだろ、ヒナちゃんマジ天使。
……ん? 何か重大な事忘れt…………。
「あぁああぁあ! やっば、ジム戦! くぅ……、今は1時30分かー……。絶対にもう終わってる……。最後のバトルくらいはやってるかな、一応見にいこー……」
やってしまった、ニャース探しでジム戦忘れてた! なんてベタな!
うー……、別にヒナちゃんの所為じゃないんだよー。この馬鹿なお姉ちゃんの所為だよー。ついでにいうと時間を12時に設定したジム側の所為だぜー……。
「すいませーん、もうジム戦終わりましたよねー……」
ジムに移動して、なんか上半身裸の男の人に聞く。ん?何故に上半身裸?まさか変のつくアレじゃないよな?
「……どうした、お前、挑戦者か? 」
「はあ、まあ一応そうなんですけどね……。用事で時間をオーバーしちゃいまして……。それで、もうジム戦は終わったんですよね? 」
「残念ながらな。……だが、一人くらいなら受けて立つぞ。まだ少し足りないと思っていたところだからな」
「…………、は? 貴方、もしかして、」
「ああ、オレがニビジムのジムリーダー、タケシだ。お前の挑戦、受けてたとう」
「は、はあ。ありがとうございます(なんだろこのベタな展開……。まぁいいけど)」
あとがき
変なところで終わるな、と?すいません、終わりどころがわかりませんでした。そしてベタな展開すぐる。