二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黄昏に惑う舞踏会《学園ヘタリア》@オリキャラ募集 ( No.22 )
- 日時: 2012/04/03 11:39
- 名前: 颯 (ID: OLpT7hrD)
-AB-
「疲れたぁ……。」
ぐっと体を伸ばせばバキバキと嫌な音が耳を突く。幾つかの授業をこなし、あっと言う間に放課後。
ちなみにノートは綺麗な状態で無事帰還、だがしかしそれを差し出すフェリシアーノはズタボロだった。
何がどうなったかなんて、聞きたくない。いや、聞けない。
なんでって……ねぇ?
「命は大事だからね!」
「黙らっしゃい。」
このAKYが。一体何処から湧いたんだ自称HEROよ。
「郁李、冷たいんだぞ。」
「うん、認知済み。」
アタシが職員室に向かう途中、このアルフレッドとやらが生徒会室に向かう途中、通った廊下にはちらほらと人影があった。
此処に通い始め、まだ長いとは言えない。寧ろ短い。隣を歩くアルフレッドは転校初日から絡んできた内の一人なので解るものの、廊下に居る生徒は殆どと断言できる程に解らない。
「……人名覚えんの苦手なんだよ。」
「ふーん、そうかい。」
茶髪やら金髪やら銀髪、青目に緑目に紫やら赤やらなんやら。
まぁ、かくいうアタシの黒髪も珍しいらしいが。
確かに黒髪はアタシと本田さんと……くらい?
……いや、違う。
若い記憶にはまだ黒髪の持ち主がいる。
「ねえ、」
「……なんだい?」
先程より、若干ぶすくれた様子のアルフレッドに問うた。
「この学園に居る黒髪の人ってアタシと本田さんと、誰?」
「黒髪……かい?」
「そう。黒髪。」
なんでそんなこと、と顔に出しつつもアルフレッドは模索する。
そして幾秒。
あっ、と上がった声が告げたのは、
「アルミネだよ!“アルミネ ライミャン”!!」
ほら、よくイヴァンと一緒に居る、と付けたし自称HEROは満足そうに笑う。
そして、
「多分居ると思うけど、会ってくかい?」
何時の間にやら辿り着いていた生徒会室の扉を指差し、首を傾げた。
正直なところ、職員室に絶対行かなきゃいけないと言う理由は持ち合わせていない。早い話、行かなくったって何の支障も無い。
「……会ってく。」
だからアタシはその誘いに首を縦に振ったのだ。
(御仲間探し。)
果たして黒髪はそんなに珍しいのだろうか。