二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【APH】 君 ニ 花 ヲ 捧 ゲ ヨ ウ ( No.11 )
日時: 2012/04/06 14:14
名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)

第五話 「 気 持 ち と か 」

一日は、流れていく。
何も無い。何にも起きないで、一日は過ぎていく。
誰かを見てると、幸せそうだなって思う。
私は、幸せなんかじゃないから。

『…』
「有里!」
『…何か用ですか』

耀も、幸せかな。
聞いてみたいな。いつか。

「呼んでみただけある」
『…そう、ですか』

ガタンッ、と大きく音を鳴らし、立ち上がる。
苛々する。
何でだろう。何故だろう。
別に、彼奴に会ったわけでもないのに—————。

「耀ー。アーサーが呼んでたんだぞ…って、有里!?」

はは、苛々した理由はこれか。
何でいるんだよこの自称ヒーロー。
早く、帰ろう。
違う。早く、帰りたい。
今すぐ、この場から逃げ出したい——————!!

「「…有里?」」
『……ぇ……』

二人が私の顔を見てるから、何かあったのかな。なんて思ったりもした。
理由は、すぐにわかる。

私が

泣いているから。

頬に、何かが伝う感触がある。
なのに、声は出ない。
喉が、カラカラだ。

「有里? 大丈夫かい?」
『……ぁ……』

嫌、いや、イヤ。
来るな。来るな。お願い、来ないで。
放っておいて。
私を気遣ってるつもりかもしれないけど、それが逆に…!

『…っ、もう、放っておいて下さい…!!』
「え?」

教室から逃げるように飛び出す。
最低だな、私。
純粋な、優しさなのに。
ごめん。まだ、無理なんだ。

*

涙が頬についたまま、学校から走って逃げる。
今なら、思い切り感情が出そうだよ。
私、おかしくなったかな…?

「有里?」
『…菊、さん』

やばい、なあ。
泣き顔ばっちり見られちゃった。

『気にしないで、下さい』

私が、一人で悲しんでるだけなの。
勝手に。
だから、誰かに、この気持ちをわかってもらおうなんて、思わないから。
なのに、どうしてだろう?

苦しいよ。悲しいよ。

痛い。胸が痛い。

私は、何で生きてるのかな?