二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【APH】 君 ニ 花 ヲ 捧 ゲ ヨ ウ ( No.16 )
日時: 2012/04/09 18:40
名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)

第八話 「 仕 方 な い 」

思い出は、楽しい事ばかりじゃあない。
それどころか、苦しい事ばかりの人だって、いる。

『……ん……』

目を覚まして、時計を見ると、既に十二時三十五分だった。
あぁ…。三、四時間くらい寝てたのか…。
…寒いな。目の前が、霞むし…。
熱でも、出たかな…?

*

…此処は、何処だろう。
周りは、真っ暗で、先なんて見えない。
…前にも、来た事があるような?
何故だろう。

涙が

止まらないの。

『……?』
「やあ、有里ちゃん♪」
『…?』

誰。
何で名前を知ってるんだ。
というか、ちゃん付けやめろ。

「噂通り、多重人格者だねー。まあ、僕も人に言えないんだけどさ(笑)」
『…君、誰。何で名前知ってるの』
「今は、参? ああ、僕は、ユリア。あくまで、僕の名前だけど。ちなみに女だからね」

姿はなく、声だけ聞こえる。
だから、僕、と言ってたら、男と思うと思ったのか…。

「…で、君を此処に読んだのは、話があるから」
『…話?』
「うん。本題に入るね。君は、誰かに愛してもらいたいんだろう?」

え…。
私、は……。

「いい加減、認めなよ。ずっと、自分を抑えているんでしょう。愛されたいのに、諦めてるんだ。…抑えてるんだ。君を愛してくれる人はいるはずだよ」
『…ッ、違う、違う、違うッ!!! 私を愛してくれる人なんていない! 私、は…誰にも愛されない…!! 私を、分かってくれる人なんて、いない!!』

感情が、無い。
それなのに、誰かが分かってくれる…なんて、無理な、叶わない夢。
それだけでも無理なのに、誰かが私を愛するとか…。馬鹿みたい。
皆、皆。心の中では、感情が無いだなんて、変だと思ってるはずだ。

『…誰かが、私を理解するなんて…。あり得ない。そういう事は…物語の中でしか起こらないの…』
「いいや、違うな。君を理解する人はすぐ近くにいる。あり得なくない」

嘘だ。嘘だ。
絶対、無い。
あり得ない。

「…戦争で、大切な人を失っただろう。だから誰も信じれない…、愛せない…」
『き、君に私の何が分かる…!!』
「大切な人を思い出せないんだろう? なら、思い出せばいい。また、夢を見て」

続く←