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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【APH】 君 ニ 花 ヲ 捧 ゲ ヨ ウ ( No.21 )
- 日時: 2012/04/15 10:26
- 名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)
第十二話 「 と っ く に 」
「ゆーりー…って、何してるの!?」
『…髪切ってる』
「そ、そんなに長いのに…。もったいない…」
唐突だけど、髪が切りたくなった。
鬱陶しくなってきたし、短い方がいろいろと便利だと思ったから。
「…今日はどこ行くの」
『…自分の家。戻ろうかなって』
祢檎は、余計な事聞かないから、楽。
まあ、強引だけど…。
*
自分の部屋のドアを開ける。
…開けた瞬間、埃が飛んできた。
すごく散らかっている。
掃除しとけよ昔の自分…。
『…少し、片付けよう』
面倒くさいけど。
まずは、大量の書類から片付けるか。
床に散らばっていた書類を片付け、机の上を片付けていると、一冊の本があった。
『…?』
何だろう、と思いながら、開けて見てみる。
そこに、書かれていたのは————————
《有里さんへ
最近は、暑いですよね。本土で、戦争もあって、元気がないように見えますよ?
皆、心配してるんです。元気出して下さいね
桔梗》
桔梗さんからの、手紙だった。
めくった次のページは、儀間さん、その次は、朝と邑。
それから————————…。
ぽたり。
感触が頬を伝う。
その場に座り込んだ。
『………っ、…ぅっ。ひっ、ぅぇっ、ぅぁっ、うっ、うぁぁぁぁぁ…』
私が何十年ぶりに、声を上げて泣いた。
皆の、気持ちが胸にじわぁっと入り込んできて。
それから、ずっと泣いていた。
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