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　　　　----パンッ----


あぁ、銃声よ....
お願いだから嘘だといってくれ....

目の前には、腹部から真っ赤な血を出した少年が私をかばってくれていた。

　　　　----ドカァアァアンッ----

あぁ、銃声よ
この爆発音も嘘だといってくれ....

真横にあった、色とりどりで神秘的だった、私の町《トレイス》は色を失い灰色と化していた。

　　『死にたくない』

私はこの一心で、銃弾が食い込んでいる足を懸命に動かした。


　「まだ、捕虜に出来そうな奴がいる可能性がある。お前達、一斉に探せ!!」

　「はっ!!」

あぁ、銃声よ
お願いだから嘘だといってくれ....


敵軍の兵隊に見つからないよう、私は元、家だったであろう大きめの瓦礫の隅にもたれかけた。

銃弾が食い込んだ右足が熱く、痛い。
いや、痛くて熱いのだろう。


どうして、あぁ銃声よ
どうして戦争は始まってしまったのだ嘘だといってくれ....

所々、焼けてしまい
ボロボロになった水色の服を私は悔しさで握りしめていた。

　　　　　　『貴方はこの町から逃げなさい!!今すぐに!!』


あぁ、銃声よ
なぜ、私の母はあんなことをいったの？

あぁ、銃声よ
なぜ、母は私にこのトランペットを渡したの？

あぁ、銃声よ
なぜ、貴方の音はそんなに悲しい音なの？














あぁ、銃声よ.....


私は、どこに行けばいいの？