二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: inzmGO《その心から喜びを》 ( No.220 )
日時: 2012/08/20 17:29
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: Z09U2sCp)

風風!誕生日おめでとう!
こんなうちだけど、よかったら祝わせて!
と言う事で…誕プレ短編小説だよ!










【こわれた日よ、サヨウナラ。】







俺は、ずっと前からサッカーが大好きだった。

毎日口が開けば、サッカー。
親からも、少し呆れられては俺の事を応援してくれたんだ。

確か、まだ両親と暮らしている時のクリスマスプレゼントは、サッカーボールだったかな。

まぁ、そのプレゼントをもらうまえに、両親はいなくなったけど。

俺を置いて。




それでも、何年たっても俺は


——サッカーが好きだったのになぁ。


あぁ、何故、如何して





         「壊れる瞬間はすぐにやってくるのだろう。」









——もう、サッカーなんて嫌いだ。




如何して、嫌いになったのだろう。










             +       +      +





俺は見ていた。

俺の仲間が、サッカーで傷つく所を。

俺は傍から、その様子を見ていたんだ。





——こんな自分に腹が立つ。




彼らは傷ついてるのに———、

傷ついても立ち上がっているのに——、




なぜ俺は、傍観者になっている?

戦えよ。

動けよ、この足。

なんで動かないんだよ。



——俺は、怖がっていたんだ。

  俺は、逃げていたんだ。

  ただただ、“傷つきたくない”一心で。





「それじゃあ、貴方達からサッカーの情熱を、消しちゃいます」




青い髪の少女は笑う。不気味なほど、満面の笑みを浮かべて。







             +       +      +







「…ここは?」



気がつけば、真っ白な世界の中にいた。

俺以外、誰もいない。

なにもない。



「何なんだよ…ッ」



人影が見えた。

青い髪、吊っている目、雷門中の制服を着て、ギターケースを背負っている。





「……俺?」



そう、現れたのは正真正銘、“俺”だった。





「サッカーをやめろ。」

「何言ってんだ!止めるわけないだろ!」

「どうせお前は、サッカーをやめたいんだろう?」

「なに、いって……」



俺の思考に、あらゆる場面が浮かぶ。



サッカーをしている所。

親がいなくなった所。

お日様園に預けられた所。

雷門中に入った所。

彼らが、傷つく、とこ、ろ……






「それともなんだ。お前は——」




俺は、先ほどの青色の髪の少女の様に、

不気味に笑った。






「お前の大切な人が傷つくサッカーを

             好きなのか?」









             +       +      +







——彼は、少し友達思いすぎたの。

  だから、自分の事にはぶっきらぼうになってしまうのよ。






             +       +      +






俺は、また夢を見た。


学校の屋上で、もう一人の俺と話している。


俺はギターケースを背負っていて、もう一人の俺は手にサッカーボールを持っている。




「サッカー…やめんのかよ…」

「ハッ、サッカーなんてやってて何になる?
 ただ傷つくだけじゃないか。」

「ふざけんなよ!お前…サッカーが好きなんだろ!?」



「好きなもんか。」



俺は、もう一人の俺にぶっきらぼうに告げた。




「大嫌いだよ。」






サッカーボールを持っているも一人の俺を、俺は屋上から突き落とした。






「…え?」


もう一人の俺は、泣きながら落ちていった。


そんな情景を、俺は冷静な目で見つめていた。












風が静かに吹く。


寒い寒い地面の上、彼は泣いていた。


頭から血が流れている。


目からは、一筋の涙が流れている。


手に持っていたサッカーボールは血で染まって、破裂していた。

















           恋われた日よ





           壊れた日よ











           サヨウナラ。











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お題は「狩屋マサキ」
   「イナズマイレブン クロノストーン」
   「もう一人の自分」

でした!

結構シリアス目で軽くエグくて、下手だけど…




お誕生日、おめでとう!