二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.331 )
日時: 2013/03/24 17:34
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)

第1章の続き

(ストーリーモード:バン)

トキオ大学に着いたのと同時に、講義室に入った俺たちは席に座った。
ハルは俺の隣の席に座り、ポカブを抱きしめている。バックからミジュマルを取り出して抱き寄せた。

「ミジュマル、ここが俺たちの通ってるトキオ大学だ。まぁ、俺らは特別支援教育コースってのに入ってんだ」
「ミジュ、ミジュミ?(ねぇ、特別支援教育コースって?)」
「あ、特別支援教育ってのは耳が聞こえない子供や目が見えない子供たちなどがいる学校で教育していくってことだよ」

そう言いながら教えると、ミジュマルは首を傾げる。キョトンとしているところが何気に可愛い。
まぁ、ヘッドフォンを使わない限りは話せないから喋ることもできない。ミジュマルとポカブがいるだけで何か安心するのだろう。

「ミジュマル、授業が始まったら大人しくしてるんだぞ」
「ミッ、ミジュ……(うっ、うん……)」
「まぁ、ミジュマルは素直だから俺の言うこと聞いてくれるもんな」
「ミジュ!」

その時、聞きなれた声が聞こえた。すぐに振り返ると、同級生の立向居勇気が座って笑った。
ミジュマルとポカブを見て驚いたが、俺とハルに何事だと話しかける。

「おはよう。バン、ハル……この2匹はどうしたの?」
「昨日、俺たちのところに飛ばされてきたみたいなんだよ。こいつは俺のパートナーのミジュマルって言うんだ」
「ミジュ!」
「私のパートナーはポカブって言うの、何か可愛いんだよね」
「ポカッ!」

立向居はどうやら事情を掴んだようで、すぐに納得してくれた。

「俺は立向居勇気って言うんだ、これからもよろしくな」
「ミジュ」
「ポカッ」

すぐに仲良くなれそうで良かった。そう思っていたら、高橋輝美がやってきた。
2匹のポケモンを見て、目をキラキラ輝いたかと思えば気に入ったように抱きしめた。

「うわー可愛いっ、急にどうしたの?」
「テル、俺のパートナーはミジュマルなんだよ」
「ええ、何でよ。私じゃないんだよね、酷いっ!」
「仕方ないじゃん、私のパートナーはポカブだし」
「ハルまで酷いよ、急にからかうの止めてよ」
「そういえば、直紀は?」

直紀が来ていないことに気づいて、テルと立向居に聞いてみた。
テルはそれを思い出したのか、俺を見て話しかける。

「直紀からの伝言。昼休みに食堂に来れるかって」
「食堂?」
「まぁ良いんじゃね、とりあえず授業始まるから後でな」
「了解っ! じゃあねー」
「おぅ……」

ミジュマルとポカブはどうするか悩んでいた。ミジュマルが俺に言いたげな視線を送っている。
しょうがないな、こいつはバッグに入れておいた方が良さそうだ。

「ミジュマル、授業が終わったら行こう。寝てたら許してな」
「ミジュ……」
「まぁ、バッグに入れておくよ。あっ、少し息しやすいようにチャックを開けとくから大人しくしてるんだぞ」

ミジュマルに言い聞かせた後、眠そうに欠伸した。朝から授業ってのはだるい。
でも、寝たくなるのもありだよな。そう思っていたら、ハルに突っ込まれた。

「もし寝てたら、どうすんの……今日、レポート提出だよ」
「代わりに出しといてよ、爆睡してたらごめんな」
「ったく、世話の焼ける……ねぇ、ポカブ?」
「ポカッ!」
「おーポカブもよく言ってくれるじゃんかぁ」

本当に元気なヤツだと思いながら、眠いのを堪えて欠伸する。先生が教卓に立って講義を始めた。
ポカブはミジュマルの居るバッグの前に座り、転寝し始める。その気持ち良さそうな姿を見て思わず苦笑した。

「本当によく寝るよね」
「ああ、そうだな」
「バンもあまり寝ないようにね」
「うっせ、眠いんだからさぁ…」

寝やすいのか、俺は欠伸交じりに授業の内容を聞き始める。先生の話を聞いているうちにウトウトして眠りこけた。
その様子を見ているハルが時々、俺を起こして教えてくれた。けど、物凄く眠くて、子守唄を聞き入っているような感じで突っ伏して寝入ってしまった。



数分後、何かに頬を突かれるような感じがして眠たげに身じろいでから起きた。
目の前に心配そうなミジュマルが顔を覗き込んでいた。そういえば、レポートは出したっけ?

「ミジュ、ミジュマ?」
「ミジュマル、起こしてくれてサンキューな……」
「やっとお目覚め?」

呆れ返ったような声がして振り返ると、幼馴染のハルがいた。
ポカブを抱えながら、俺が目を覚ますまで待っていてくれたらしい。

「ふぁ……レポートは?」
「私が出しておいたよ。しっかりしてよね、何度も起こしたのに起きてくれないのよ」
「そっかぁ……ありがとな、寝ててごめんな」
「まったく、もう……ポカブも起こしてくれたんだよ、感謝しなさい」
「ポカッ!」
「ポカブ、サンキュ・・・・・・」

ミジュマルは俺の肩に乗っかって、ポカブを見て笑った。何だかんだで仲良くしているように見えた。
ふと思い出したのか、直紀が見せたいものがあったということを聞いて食堂に行く準備をする。

「直紀が食堂に来いって……何なんだろうな」
「とりあえず、行ってみようか」
「そうだな」

講義室を後にした俺たちは幼馴染の船津直紀に会うため、食堂に向かった。
直紀が食堂で見せたいものっていうのはいったい?