二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.335 )
日時: 2013/03/29 09:21
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)

第2章 船津直紀&ツタージャのコンビ登場!

(ストーリーモード:バン→ミジュマル)

俺たちは食堂に着いた。その時、聞き覚えのある声がして振り返る。

「おーい、バン! こっちに来いよ」
「あっ、直紀! そこにいたのか」

そこに駆けつけ、椅子に座ったのと同時に直紀がミジュマルとポカブを見て驚く。
どうやら、この2匹のポケモンを知ってるみたいだ。何か理由でもありそうな気がしてならなかった。

「あれ、この2匹のポケモンも初めて見るな」
「こいつはミジュマル、俺のパートナーだよ」
「この子はポカブっていうの、私のパートナーよ」
「なるほど、僕のところにもこんなポケモンが……」

直紀はガサコソとバックの中を漁り出して、ポケモンを取り出す。
すると、ミジュマルとポカブが目を見張って驚く。草タイプのポケモン・ツタージャだった。

「ミジュミジュマ!」
「ポカッ、ポカブー!!」
「ツタ、ツタージャっ!!」

3匹のポケモンは大喜びで再会しながら抱き合った。どうやら、ツタージャとは仲が良いみたいだ。
ミジュマルが喜ぶのも頷けるし、直紀が俺たちを呼び出したのも何となく分かってきたような気がした。

「ミジュマルたち、喜んでるな」
「ああ。そういえば、これ持ってるか?」

直紀が出したのは、翻訳機能ヘッドフォン。ヘッドフォンの色は緑になっていて、色違いバーションであることを示す。
俺の色は青で、ハルの色が赤……っていうことになるのか、よく分からない。
ハルが、ポカブやミジュマルたちを見て提案しながら、腕を組んで考え込んだ。

「ねぇ、今夜飲みに行こうよ。ポカブたちも連れてきてさ、あそこで話したほうが良いんじゃない?」
「あっ、それ良いかもな。でも、バンは酒を飲むと気が済むまで飲まなきゃダメなんだっけ?」
「うっせ、俺が酔いつぶれるとでも思ってんのか。でも、ポケモンを連れて行くにも気が引けるしな」
「あーそれも一理あるね。リンちゃんに見てもらったら?」
「リンに?」
「リンちゃん、可愛いもの好きじゃなかったっけ?」
「あー確かにそうだな、今晩はリンに預けとくか」

俺たちの会話を聞いていたミジュマルたちはボンヤリと見つめていた。
飲みに行くことを聞いていたのだろう、帰りが遅くなることも伝えておかないといけない。

「俺たち、今夜は3人で飲みに行くから遅くなるよ」
「ミジュ、ミジュミジュマ!」
「ミジュマル、おまえはリンのところで大人しくしてろよ」
「ミジュ?」
「リンってのは、俺の妹。あいつ、可愛いものが好きだから、喜んでくれるかなーって思うんだよ」
「ミジュ……」
「なんだ、不満そうだな。俺は飲み会で帰るの遅くなることが多いからよろしくな」

俺はミジュマルを撫でながら、思わず苦笑する。ハルと直紀もポカブとツタージャの2匹と話しながら言い聞かせていた。
まぁ、しょうがないよな。3人で飲みに行くことも決まったようなもんだしね。





数時間経ってから、夜を迎えた。すっかり真っ暗になっていて、外から見ると暗くなっている。
夜10時ちょうど、リンたちの部屋でバンの帰りを待っていた僕は窓の外の光景を見つめていた。

「あら、ミジュマル。急にどうしたの?」
「ミジュ……ミジュ、ジュマ(うん……バン、帰るの遅いんだね)」
「あー兄さんの帰りを待ってるのか」
「でも、兄貴は飲み過ぎで帰ることが多いからなぁ」

健太が見かねて、僕を抱きしめながらも思わず苦笑する。そんなに帰りが遅いということを察することができた。
バンの飲み会好きは一生、直らないとかって言いながらも笑うリンと健太。直太が僕を見て突っ込んだ。

「そりゃ、バン兄ちゃんも飲むのが好きなわけだし……しょうがないよ?」
「しょうがねぇって、そう言い切れんのはおまえだろ」
「あははっ、バレた?」
「直太、あんたも調子に乗るんじゃないよ。健太だってそうだよ」
「ミジュ……」

3人の会話を聞いていた僕は思わず溜息をついた。その時、リンのCCMが鳴る。
リンはちょっと待って、と言いながらも取り出して応対する。

「はい、もしもし……」
『リン? ハルだけど、バンのヤツが酔い潰れて寝ちゃったの』
「ええ、兄さんがまた飲み過ぎで?」
『そう。だから、12時ちょっとに連れて帰るからよろしくね。歩けるようだったら、帰らせることもできるんだけど……』

ハルの声を聞いて、バンが酔い潰れたということだけは分かった。飲みすぎはやっぱりいけない。
でも、ハルが困ってるってことはバンと揉めたりしたとか……いや、それは有り得ない。
バンが帰ってきたら、僕が起こすのもありだけど……連れて行くので精一杯な気がする。

「ミジュ、ミジュミジュマミジュ!」
「ミジュマル、玄関で迎えに行くってことにしようか」
「……ミジュ!」

バンのことだ、酔い潰れて帰って来るだろう。様子を見て、12時になったら起きるって言うので行こう。
やがて、夜中の12時になったのと同時に1階から聞き慣れない声が聞こえた。

「バン、ちょっと起きてよ」
「お母さんの声だわ。ミジュマル、一緒に行こう」
「ミジュ!」

リンと一緒に1階の玄関に向かうと、見覚えのあるクセ毛の青年が床に横たわったまま寝ていた。
間違いない、バンだと分かった僕はすかさず歩み寄って起こす。でも、なかなか起きない。
どうやら、爆睡してしまっているバンは気持ち良さそうに寝息を立てていた。

「ミジュ、ジュマ?」
「うーん、この様子だと起きてくれなさそうね。とりあえず、頬を抓ってみて」
「ミジュ」

リンに言われたとおりにして、試しにバンの頬を抓ってみる。すると、バンは眠そうに唸りながら、僕の右手を払いのけた。
酔っ払ってるみたいだけど、どれだけ飲んだんだろうか。ハルがバンを起こしてくれる。

「バン、家に着いたよー。起きてよ、ねえ!」
「んぁ……」

バンは寝惚けたまま立ち上がり、フラフラと2階に通じる階段を駆け上る。
自力で歩けるほどじゃないのに、1人で登っていく気か……心配そうに顔を見合わせた僕たち。

「うーん、あの様子だと途中で寝ちゃいそうな気がするね」
「寝ちゃうのもありですよね……」

ハルとリンは呆れながらも、顔を見合わせた。僕はバンのことが心配で、2階に通じる階段を駆け上って追いかけた。

「ミジュ?」

2階に着くと、部屋に続く廊下の途中で横たわって寝ているバンの姿が目に映った。
酔っ払っているみたいだけど、何かあったのかな?

「ミジュ、ジュマ!(バン、起きてよ!)」
「んー……」
「ミジュ、ミジュミ!!(いい加減にして、起きてよ!)」
「ミジュミジュ、うるせぇ……」

眠そうに顔を上げて起きるバン。どうやら、僕の声が伝わったみたいだ。
バンは頬を赤くしたまま、目が据わっていて眠りそうになっている。

「なんだぁ、ミジュマル……おまえが起こしてくれたのかぁ?」
「ミジュ、ミジュミ、ジュマッ!」

どれだけ飲んでるんだよ、というような顔をして顰めた僕。
リンたちの言っていたことの意味が何となく分かってきたような気がした。

「うーい、帰ったぞ〜ぉ……」
「ミジュ?」

バンがふらつきながら立ち上がり、部屋のドアを開けて入る。
嫌なことでもあったのか、思わず不満になっているバンを見てたら心配になってきた。

「ミジュ……」
「ミジュマル、大人しくして待っててくれたみたいだな。飲み過ぎちまってごめんなぁ」
「ミジュ?」

バンは僕を抱きしめたまま、部屋のドアを開けて閉めた。フラフラ歩きながら、ベッドにダイブして倒れ込んだ。

「ミジュ!?」
「んー……ミジュマル、俺と一緒に寝るかぁ?」

バンの言うことを聞いて寝た方がいいと思ったのか、腕の中に入る。
眠そうに見つめていたバンは転寝しながら、僕を抱きしめたまま寝入ってしまった。
ギューッと抱きしめられる力があまりにも強すぎて、寝苦しそうになりかけたが……思ったよりも温かくてウトウトしそうになるので、思わず目を閉じた。