二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.446 )
日時: 2013/03/21 18:06
名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)

第13章 謎の幽霊屋敷探検(前編)…ハル・ナオ・楓の3人が見たものとは?

(ストーリーモード:ハル)

数年前に遡る…森の奥にあった屋敷は洋館という感じだった。そこに2人の兄弟が住んでいたとされる場所である。
実は両親がいたとされていたが、2人でひっそり暮らしているという噂が出るようになったのは、10年前からだという。
10年前に起きた事件の惨劇をきっかけに、兄弟は行方をくらまして逃げていったという話も出ている。
そして、現在になって森の奥にある屋敷の前に佇む女子グループが突っ立っていた。

「ここが噂の幽霊屋敷ね!」
「楓、何で私たちがあんたに付き合わなきゃならんのよ?」

楓と呼ばれた女性は2人の方に振り向いて、無邪気な笑顔を見せた。
月島楓は立向居勇気の幼馴染であり、空手部のチームメイトだ。
私とナオは帰りがけに掴まれてしまって、そのまま付き合うハメになった。

「だって、今夜は何か面白いことでも起きるんじゃない?」
「バカ、何を言ってんの…そこで何か見つかるわけでもないし?」
「それを言うなら、未来の旦那さんには言わなくてもいいのー?」
「なななっ…み、未来の旦那ァ!?」

楓のからかい方には飲まされてしまうばかりで、嫌になってしまう。その様子を見かねたナオが笑いながら、気遣ってくれた。

「まぁ、いいじゃないですか。何か楽しそうだから、私も付き合いますよ」
「ヒロに言われたら…困るのは、そっちじゃない?」
「あはっ、それもあるけど…こんなに面白い恐怖体験ってなかなか、ないと思いますよ」
「そうかなー…バンたちに知られるのが嫌なんだけどなぁー」

ポカブは光一に預けて、留守番してもらっている。仕方がないので、中に入ることにした。
見た感じだと、屋敷全体はまるで洋館のようだと思わせる風貌やオーラがあってもおかしくない。
さっそく、屋敷の中に入らないとダメかもしれない。そう思いながら、ドアを開けて入った。

『ギギーッ…』

ドアを開けたのと同時に覗くと中は真っ暗。暗いけれど、どうやって進もうか。
その時、楓が用意周到してきたようでバッグから3つの懐中電灯を取り出して渡す。
懐中電灯を受け取ったのと同時にライトをつけて、周りを見渡した。見たところ、何も感じられない。
ただ、不気味なところが出ているのも気になる。それが不気味さを増すことになるわけで。

「何か不気味じゃない?」
「まぁ、そんなことは良いから。さっさと探検しちゃおうよ」
「バンたちに見つかったりしたら、どうすんの?」
「それは…上手く誤魔化して逃げようっと♪」

全く、本当にお気楽なヤツだ…楓に突っ込まれたくないのも分かる。ナオは懐中電灯を持ったまま、階段を照らした。
どうやら、2階に通じる階段があるみたいだ。そこを上って捜索しようかということになった。


階段を駆け上ったのと同時にいくつか部屋があった。そこら辺は子供たちが駆け回りながら遊んだのだろうか。
廊下は思ったより広くて、遊びやすい環境になっていたかもしれない。子供たちの楽しそうな姿を想像しながら、頭にイメージを浮かべた。

「何か広いけど、子供たちが遊べる環境になっていたということね」
「そうだとしたら、誰かが住んでたとかって言う例の噂ですよね?」
「ナオ、良いところに目をつけたね。私もそう思ってた…でも、何か気になるんだよねぇ…」

前にバンが言っていた『L』と『R』…その2人の男がもし、兄弟だとして両親は生きていたのか。
あるいは、かつてこの屋敷に住んでいた可能性も否めなくはない。そこがどうも引っかかってしまう。
その兄弟の実家であるとしたなら、ここである可能性は有り得なくもないが…慎重に捜査してみる必要がありそうだ。

「ナオ、楓…とりあえず、この辺の部屋を見て探そう」

2人の方を見て、この辺りの部屋を捜索することを提案した。その意見を聞いた2人は呆然としていた。

「えっ、どういうことですか?」
「うん…ちょっと気になることがあってね。とにかく手伝ってもらえるかな?」
「いいですよ。とりあえず、みんなで探しましょうか!」

ナオは提案に乗ったのか、すぐに賛成してくれた。楓も同意見で、さっそく捜索開始することに至った。



1時間くらいかけて、書斎や図書室などを捜索したが…何も手掛かりは得られなかった。
なかなか見つからないので、一番奥の部屋に向かって走り出した。その部屋のドアを開けて入ると、子供部屋のようだった。

「ここって…」
「…子供部屋だよね?」

棚にはいくつか古ぼけた本が並べられていて、その中にはアルバムらしきものも入っていた。
全体的に見ると、古ぼけたベッドや椅子、机が置かれていた。その3つ以外には、本棚とグローゼットもあった。
机の上に古ぼけた写真立てが置いてあったので、その写真を見た。2人の子供が笑顔を見せている。
青年になる前の写真と言うことは…もしかして、あの2人が住んでいたということになるのか?

「ふーむ…何か引っかかるな」
「引っかかるって、何が?」
「どうも、この屋敷は誰かが住んでいたみたいだね」

この屋敷に誰かが住んでいた可能性があったとしてもおかしくない。そこが気になるという点だ。
しかも、子供が住んでいたのだから…2人の両親がどこにいるかも分からない。

「ハルさん、このアルバムを見てください!」

本棚から取り出したアルバムを覗いたナオが何かに気付いて呼んだ。

「…何か見つけた?」

ナオのところに行くと、アルバムに2人の少年の名前が記されていた。
『Luke』と『Roy』の文字が書かれていたことから考えると2人の名前であることが分かる。
なぜ、2つの名前が出てきているのかも分からない。もしかして、2つの名前には何か関係あるはずだと見る。

(…まさか、あの2人の名前って--------------------------------)

『L』と『R』…この2つのイニシャルから考えて辿ると、この2人の本名である可能性が高まってきた。
この事実が確かなら、本当に間違いない。でも、その証拠が見つからない限りはただじゃ済まない。

「どうしたの、ハル?」
「何か分かってきたかも……」

ようやく、結論に至ったのと同時に確信できたという瞬間である。その時、ナオが壁を見て気付いた。
さっきから壁を見つめて、何かに気付くはずがないと分かりきっていたわけではなかった。

「どうしたの、ナオ?」
「いやね、この壁がちょっと気になって……ん?」

ナオが左手で壁に触れたのと同時に壁の扉らしきものが反転するように開いて、滑り込むようにして消えた。
目の前からナオが消えたことに驚いて、驚愕した私たちはその場に立ち竦んだ。

「ちょっと、ナオが目の前から消えちゃったよ!?」
「うん、私も思った。やっぱり、この屋敷には何か仕掛けがありそうね…」

ナオが消えた謎の壁に左手を触れたのと同時に反転して開いた。その隙をついて、楓と一緒に手を繋いで滑り込んだ。
その中に入ったのと同時にトンネルみたいな滑り台を掻い潜って、ナオを追いかけるようにして滑り出した。

「これ、滑り台みたいになってる!」
「いいから、あんたは黙って!!」

程なくして、長い滑り台のトンネルを掻い潜った後に到着した。ナオが私たちの存在に手を振って駆け寄る。

「ハルさん、楓さん!」
「ナオ、大丈夫?」
「はい、大丈夫です!!」

目の前に現れた光景を見て、驚きを隠せなかった。そこにあったのはいくつかの結晶。
ここに何かが隠されているとしか思えないので、私は思わず首を傾げた。

(いったい、どういうことだろう?)

ハルはナオ・楓と共に屋敷の真相を追って、再び調査することに。そこで掴んだ手掛かりとは?