二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.453 )
- 日時: 2013/03/21 21:55
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第14章 謎の幽霊屋敷探検(中編)…そこに隠された事件の謎とは?
(ストーリーモード:ハル)
周りを見る限り、結晶のトンネルみたいな場所になっていた。
ここは特別な場所でもあるのかさえ分からない。いくつかの結晶があるということは何らかの理由で昔から存在していたのではないか。
「ここは特別な場所なのかなぁ?」
「いや、それは違うと思いますよ。結晶の壁を触ると何か冷たく感じます」
ナオが壁に触りながら、感触を確認していた。彼女を見て、思わず首を傾げた。
言われたとおりに結晶の壁を触る。確かにナオの言うとおり、冷たい感触が手に伝わってきた。
イメージで言うなら、氷のようなものが入っているということになるのか。
「うーん…確かに冷たく感じるけど、何か気になってきた」
「えぇ、私も気になることがあります。まずはさっきの子供部屋…あの時、アルバムを見ましたよね?」
「ああ、確かに見た…でも、『Luke』と『Roy』だったよね」
その2つの名前がどうしても引っかかる…ここで、何か見つかるとは思えない。
子供部屋の中を見て捜索していた時、アルバムに載っていた1枚の写真…どう見ても明らかに何かあった。
この屋敷で霊が出るとは限らないし、この先を捜索して進むしかないのか。
「ハルさん、その2つの名前…何か矛盾していると思いませんか?」
「…矛盾している?」
「はい。ヒロが言っていた『L』と『R』の最初の文字がそれだとしたら?」
『L』と『R』…この2つの文字の最初に嵌るのは、大文字だということを示す。
もし、そうだとしたら…この屋敷には何か隠されているはずだ。そう考えれば、納得できる。
「ナオの言うとおり、間違いないかもしれない。でも、この中を捜査してみないと分からないかもね」
「やっぱり、そう思いますか。楓さんは無茶しやすい反面…もうちょっと慎重に捜索しないとダメですね」
「うん、そうだね。楓、あんたは私たちと一緒に逸れないようにしてついてきて」
キャプテンらしく命令した瞬間、楓は素直に頷いた。流石にここまで来たら捜索するしかない。
その思いを胸に入れ、捜査を開始することにして駆け出していった。その先に何があるのか。
***
少し経って、その奥までやってきたのと同時に何かが倒れていることに気付いた。
「ガガガ、ガイコツ---------------------!?」
それを見た楓が怯えきったまま、指差して驚きを隠せない。かなり動揺しているみたいだから、冷静に捉えた。
目の前に倒れていたのは、2体のガイコツ…そこで何かが起きたことを示唆しているという証拠。
その様子を見る限り、男女の遺体ではないかと思われる。その事を含めて考えると、実の両親ではないか。
「楓、落ち着いて。多分、あの2体の遺体は恐らく…」
「恐らく…?」
「あの2人の少年の両親じゃないかな?」
「えっ…それって、いったいどういうこと?」
楓は目を丸くして驚きながら、動揺を隠せない。私もそれに関しては信じ難い。
よく考えれば、納得できなくはない…しかも、事件があったとは思えないのだ。
遺体はちゃんと服を着ていたことから考えると、ここで事件が起きた可能性が出ている。
「いや…まだ、ちゃんと断定できないけど…それも有り得るよ」
「えっ…じゃあ、ここで起きたっていうことになるのかな?」
「楓…念のために聞くよ。10年前って、いつのことか分かる?」
「確か、2049年だったと思う。私たちが中学生になる前…」
仮に2049年が10年前だとして、古ぼけた幽霊屋敷が存在するようになったのはこの頃からだ。
楓が聞きつけた噂は10年前にある事件が起きて、その屋敷で惨劇が出たと言われるという話だった。
その話を詳しく聞きたいが、もう少し遺体の方を検証して調べてみる価値がありそうだ。
「10年前は2049年だった…その時期と重なっていたのは、何か理由があったはずよ」
「えっ…ハルさん、その遺体を調べるしかないということですか?」
「何も考えたくないけどね…乗り気じゃないけど、調べてみるしかない」
遺体を調べながら、ズボンのポケットに手を入れた。すると、何かが入っていた。
それを取り出すと…古ぼけた財布だった。10年前のものだと思われるが、それにしては古く感じられた。
もしかしたら、これは何かあるかもしれない…そう思いながら、財布の中を開いてみた。
「…ん?」
財布の中に何かが入っていたので、それを取り出す。左手でカードらしきものを持つと、運転免許証のようだ。
免許証に記されていた名前は『Logan Right』…恐らく、父親の名前だと考えられる。
「うーん、ローガンねぇ…何かしっくり来ないな」
「ハルさん、もう1人の女性の名前が分かりました。これを見てください!」
ナオに促され、もう1枚の運転免許証を見た。
そこに記されていたのは、『Loza Right』という女性の名前だった。
『Logan Right』『Loza Right』の2つの名前を見比べてみたら、違和感を感じた。
「…ん?」
待てよ、『L』『R』のイニシャル…この夫婦は2つの名前に共通点がある。
もしかして、最初の文字が大文字…その間の『L』と『R』の2つがしっかり組み合わさっているということか。
よく考えれば、その2つを組み合わせていくことで文字に共通点が合っている。
「ナオ、楓…この2つの文字に何か共通点があると思わない?」
「共通点…ですか?」
「うん、『Logan』と『Loza』、『Right』の3つ。その最初の文字に何を嵌めると思う?」
「そりゃ、大文字に決まってるでしょ?」
楓は首を傾げながら、何か考えて呟く。そう、大文字に決まっている。
…が、この2つの文字には共通点がある。いわば、子供の名前と似たようなものだ。
「うん、この2つの最初の文字が開いてるとしたらどう?」
「そりゃあ、大文字を入れる…ってことは、もしかして!?」
「そう、イニシャルが関係してるんだ。多分、『L』と『R』は大文字にすることを示していたということになる」
その事を聞いていたナオは目を丸くして驚いたが、すぐに納得した。
イニシャルが組み合わされば、それがぴったり嵌るのだ。そうすれば、事の真相に辿り着けるかもしれない。
「流石、ハル! そこまで分かったなんて凄いよ!!」
「えへへ…まぐれだよ、そういうのは…」
「でも、10年前の事件の手掛かりは運転免許証しかないよね」
「うん、そうだけど…ん?」
CCMの着信音が鳴っていたことに気付いて、すぐに取り出した。CCMを開くと、1通のメールが来ていた。
差出人は幼馴染の山野バンだった。その様子だと心配して、メールしてくれたのだろう。
【ハル、今どこ? お前、こんな時間まで何やってるんだ?】
バンに心配かけさせたくないから、地下室に居るわけだ。それどころじゃないのに、出口を探さないと気が済まない。
ここに居てもしょうがないので、出口に通じる場所を探そうとした。その時、どこからか微妙な物音が聞こえてくる。
『カツーン、コツーン…』
微かに向こうから何かがやってくることに気付いた。ナオと楓は困惑気味に動揺を隠せない。
メールの返信するどころか、どうやって逃げ切ったら良いのかも分からずに居た。
とにかく、この場所から立ち去って逃げ切るしかない。CCMを閉じて、ズボンのポケットに入れたのと同時にナオと楓の腕を引っ張りながら走り出す。
「とにかく逃げ切るよ!」
「えぇ!?」
楓の悲鳴もむなしく、それを遮るかのようにした後は突っ走りながら向かった。
上に通じる階段を見つけ、そのドアを開けて閉める。その瞬間、すぐに駆け出していった。
階段の最上に辿り着いたのと同時に右手で取っ手を掴んで、左手で押し上げる。
「よし、誰も居ない」
さっきの子供部屋に戻っていた。幸いなことに誰も居ないことを確認した。
その同時に部屋を出て突っ切ろうとしたその時、ドアを出た直後に聞きなれた声が聞こえた。
「こんなところにいたのかぁ?」
冷たくあしらうような声…何だか、嫌な予感がして振り返ると…見覚えのあるクセ毛の青年が立っていた。
他にはアホ毛の青年やイケメンみたいな青年も居て、ナオや楓も目を丸くして驚きを隠せなかった。
「嘘ォ…」
この後、目の前に現れたバンたちがやってきた理由とはいったい?