二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.471 )
- 日時: 2013/03/23 10:42
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第16章 幽霊屋敷に隠された秘密、深まる謎とは?
(ストーリーモード:バン)
夜10時ちょうど、ミソラタウン駅前でハルたちを待っていた。直紀とツタージャも一緒に居る。
さっき、直紀とツタージャに出くわしてしまった。ミジュマルはツタージャとの再会を喜びながら、楽しそうに追いかけっこしている。
「ミジュミジュ!」
「ツタツター」
楽しそうに遊んでいる2匹のポケモンを見て、満足そうに頷く。ミジュマルは俺と一緒に居ることで気にかけるようになった。
直紀は俺を見て、何か感づいたのか…首を傾げて、俺に優しく話しかける。
「そういえば、ここにいるってことは…何かありそうじゃないか?」
「直紀…お前、そういうところに感づくんだから…。本当に鋭いな」
「何年、幼馴染をやってると思ってるんだ? 立向居に聞いたけど…」
「立向居に聞いたって…何を?」
「ああ、幽霊屋敷のことさ。お前、ハルに突っかかって殴りこもうとしたんだって?」
直紀は肩を竦めながら、苦笑しつつも呆れていた。当時は酒を飲んで、酔ってたからしょうがない。
ハルに突っかかったような気がするのは確かだけど…その時の記憶が全くない。
直紀の言葉を聞いて、顔を顰めていると…向こうから聞きなれた声がして振り返る。
「おーい、バン!」
「あっ…」
そこにやってきたのは、幼馴染の人見晴香だった。ポカブを抱えたまま、走りこんできたようで…。
ポカブも一緒に連れてきたので、そのまま幽霊屋敷に直行するしかない。
「ポカブも久しぶりだな、元気だったか?」
「ポカッ、ブーッ!」
明るく元気そうな笑顔を見せながら、ポカブは嬉しそうに頷く。直紀は首を傾げながら、ハルを見て呟いた。
「2人揃って、何かあったの?」
「いや、直紀には関係ないことよ。関係あるのは、バンと私だけ!」
ハルが手を振りながら、笑顔で上手く誤魔化そうとしたが…今度は一筋縄ではいかない。
直紀はツタージャとミジュマルを見て頷いた後、何か決意したように研ぎ澄まして言う。
「僕も一緒に幽霊屋敷を探検したい。やっぱり、バンだけじゃ頼りないだろ?」
「ボディーガードが1人だけじゃダメだよな。じゃあ、直紀も入れて行くしかない」
「うん、そういうことだから…せっかくだから、僕も手伝うよ。懐中電灯はあるかい?」
行く前にコンビニで懐中電灯を買って用意したので、バッグから3つの懐中電灯を出す。
1つずつ分けて、ハルと直紀に渡した。ミジュマルとツタージャは追いかけっこを終えていて、俺らの前までやってきた。
「ミジュ?」
「ツタ?」
ミジュマルを見て、連れて行くしかないと思って決めた。とりあえず、幽霊屋敷に行こう。
その様子を察したミジュマルは俺の肩に乗って、どこに行くのか知りたいというしぐさをする。
ポカブやツタージャも同じみたいだから、3人でポケモンを連れて行くことにした。
「よし、ミジュマル…お前も一緒に行くか!」
「ミジュッ!」
ハルと直紀を連れて、ミソラタウン駅の奥にある森の中へ駆け出していった。
程なくして、森の中を歩いていた俺たちは慎重に進めながら見渡す。ハルの言っていたとおり、不気味さを感じさせる。
ミジュマルは俺の肩に乗ったまま、不安そうに恐怖を感じていた。幽霊屋敷に向かうことを察していたようで…。
ポカブやツタージャも興味があるらしいことは分かりきっていたつもりだったが…危険を承知で分かってくれていたように見えた。
「やっぱり、この奥に洋館みたいな感じになっている例の屋敷が建てられてるんだよな?」
「そうよ…私は楓に連れられていったから、間違いないわ」
「なるほどな…直紀は行ったことないよね?」
直紀に話を振って呟いて問い質す。ツタージャを見て、コクリと頷く。
やっぱり、幽霊屋敷を探検したことがないから…直紀に経験を積ませるのもありだと思った。
「うん、僕も行ってみたいと思ってたよ。でも、ハルが気になることっていうのは?」
「さぁ…あそこに行ってからじゃないと分からないものらしいけどな。そうだろ?」
「うん…直紀とバンにはちょっと難しいかもしれないけど、見てもらえば分かると思うよ」
「そっか…まずは屋敷の様子を見て、状況を把握するしかないようだね」
直紀はハルの話を聞きながら考え込んだ後、ツタージャを見て付き合うことに決めたのだろう。
ハルが気になることって…いったい、何なのかも分からない。それに関しては気にしてなかった。
俺も興味がないわけじゃないけど、ミジュマルが好奇心旺盛なところを見せていたからだ。
「ミジュ?」
ミジュマルが指差した方向を追って、視線を追いかけてみた。どうやら、屋敷が見えてきたようだ。
森の奥まで進んだ辺りで、幽霊屋敷らしきものが立っていることに気付く。俺と直紀は思わず、上を見上げた。
これが、ハルの言っていた例の幽霊屋敷…見るからには洋館っぽい感じになっている。
「これが幽霊屋敷?」
「うん、不気味さを感じさせるよね…なんていうか、この屋敷には何か隠されているような気がするの」
「うーん、何か隠されている…確かに気になるけど、やっぱり調べてみる価値はありそうだな」
全体的に幽霊屋敷を見れば、確かに不気味さと恐怖を感じさせるような威圧感が漂っている。
その中に何かが隠されていることは間違いなく汲み取れた。問題は、ハルたちが2階に行った時に見つけた子供部屋らしき場所だ。
「その子供部屋らしき場所はどこにあるんだ?」
「とりあえず、中に入ってからね。ドアを開けるよ」
ハルは玄関のドアを開けて、俺たちを促しながら入れてくれた。中に入ると、真っ暗になっていた。
よっぽど暗く感じたのは確かだし、懐中電灯をつけた方が良さそうだ。カチッとライトをつけて、明かりの先に映った光景を見た。
「なるほど、ここら辺は通路になってるのか…その先に階段があるはずだと言ったな?」
「うん、そうだよ。その先をまっすぐ行くと…その階段があって、上ると廊下が広くなってるんだよね」
ハルの話を聞く限り、この屋敷には誰かが住んでいたようだ。直紀がCCMを操作しながら、何か調べていた。
どうやら、この屋敷に関することについて調べてくれているみたいだった。
「バン、ハル…この屋敷は10年前から存在していたそうだよ」
「10年前から存在していた…ということは、ここに誰かが住んでいたってこと?」
「ああ、そういうことになるな。でも、問題の2階に行ってみないことには分からないね」
直紀は左手で懐中電灯を持ちながら、右手でCCMを操作して見せた。確かに10年前のことが書かれていた。
10年前には、2人の兄弟がこの屋敷に住んでいたらしいという噂で持ちきりだったそうだ。両親は行方知れずになっていて、よく分からないというのが現状である。
「そうだな…ここは、ヘッドホンをつけて行くしかなさそうだ」
ミジュマルたちとコミュニケーションを取りやすいように配慮して、用意した翻訳機能ヘッドホンを出す。
「そういうことなら…私たちも準備してきたよ!」
ハルと直紀も赤と緑の翻訳機能ヘッドホンを出して、耳につけた。これで、連携がとれそうだ。
アララギ博士に確認を取っておいたので、中でも外でも使えるということが分かって安心したことを覚えている。
「ミジュマル、準備はいいか?」
『もちろん、僕はいつでも行けるからOKだ!』
「ポカブも大丈夫?」
『うん、僕も行けるよ』
「ツタージャもいけるよね?」
『ええ、もちろんよ!』
3匹ともやる気満々のようだ。そうと決まれば、問題の2階に行ってみよう。
思い切って、懐中電灯を持ちながら走り出して駆けていった。階段を上ると、確かに廊下が広くなっている。
「やっぱり、広くなってるね…」
「ああ。恐らく、子供たちが遊びやすいように配慮したんじゃないか」
「それも有り得るね。その先に子供部屋らしき場所があると言ってたな」
直紀は懐中電灯の明かりを照らしながら、その先に続く廊下を見て呟く。
幽霊屋敷なのは確かだけど、その子供部屋に何か隠されていることは間違いないはずだ。
「…とりあえず、3人で行ってみれば分かることだからな」
「そうだね、ミジュマルたちも一緒に行こう!」
ハルも賛成したらしく、ミジュマルたちも連れて捜査開始することになった。