二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜  コメ、プリーズ!! ( No.146 )
日時: 2012/08/19 16:19
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)


   第5粒「門番!!!」


『後ろの門番の身体検査、受けて』

 「え」

 リーバーに言われて振り向く。するとそこには巨大な門。そしてその門に巨大な顔があった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 無言のままの門番に、一応、「・・・・・・・・・どうも」と会釈しておくアレン。するとぐおっと顔を突き出してくる門番に、アレンはひっ、と退けてしまいそうになった。

 ピカッと門番の目が光り、

 「(レントゲン検査! アクマか人間か判別!!)」

 レントゲン検査の光がアレンに当たる。しかし、門番の目には砂嵐がかかったかのようにアレンがよく映らない。

 「(映らない? バグか!?)」

 すると、門番の視界に、あるモノが映った。アレンの左側の額に。

 ソレを見ると即座に門番は×印を出すと、教団中に響く、叫びとも言える大声を出した。


 「こいつ、アウトォォォォオオオオ!!!!」


   * * * * *


 「おい、うそつけ! アレスティ・・・・・・えっと・・・なんちゃらかんちゃら5号!! ま、とにかく門番ッ! その子がアクマなわけないでしょ!!」

 「お、おいサクラ! いたたたた」

 リーバーからマイクをむしり取り、あたしは抗議する。

 『アレスティーナ=ドロエ=ギョナサン=P=ルーボーソン=ギア=アマデウス5号、じゃボケェェェ!! こいつ、バグだ! 額のペンタクルに呪われてやがる! アウトだアウト!!』

 「ぎゃあぎゃあ、叫ぶな!!」

 しかしあたしの声は、アレスティーナ=ドロ・・・なんだっけ? まあ、門番には届いておらず、泣き喚いている。

 『へっ!?』

 『ペンタクルはアクマの印(マーク)!! こいつ奴等の・・・千年伯爵の仲間(カモ)だーーーー!!!!』

 『んなっ!?』

 「「「「「なにぃーーーーーーーーーーーーーーー!?」」」」」

 科学班も声を上げる。教団内は『スパイ侵入! スパイ侵入』と放送で流れまくっている。

 あの子はアクマじゃない!! ・・・はず。 なのになぁ。

 「おい、城内のエクソシストは・・・・・・・・・」

 リーバーの声に「大丈夫じゃ」と—あたしもよく分かんない—ロボットのろくじゅうごが言う。

 「神田がもう着いたわ」

 そう言うリナリーの後ろのモニターに、夜の闇に輝く満月をバックに飛ぶ人影の姿と、ひきつった顔の白髪の少年の姿がそこに映っていた。バッチリと。


   * * * * *


「!?」

 ザンッ、とはるか頭上高く、門の上にそびえ立つ男がいた。漆黒の髪を高くポニーテールで結び、黒色の刀を持った青年、神田。

 神田はアレンを見つめていた。アレンも銀灰色の瞳で突然現れた青年、神田を見ていた。神田が口を開く、

 「一匹で来るとはいー度胸じゃねぇか・・・」

 神田の鋭い視線をアレンにやった。それを『殺気』と感じたアレンは全身全霊で否定する。

 「ちょっ、ちょっと待って!!何か誤解されて・・・」

 そんなアレンの言葉を聞きもしない神田は飛び上がり、刀を振り下ろす。

 「!!」

 ゾクッと背中に寒気を感じたアレンは、とっさに対アクマ武器を発動させ、防御する。

 ———ドン!!!!!

 というもの凄い音と共に、アレンは跳びあがり絶句する。

 「なっ・・・」

 「!」

 アレンの腕を見て驚く神田。アレンは着地し、

「痛っ?」

 痛みを感じ、左腕を見る。するとそこには一本の巨大な傷があった。

 「(!? 対アクマ武器に傷が!!アクマの砲弾でもビクともしないのに、たったの一撃で・・・!? まさかあの刀・・・)」

 神田は黒い刃の刀を指でなぞりながら、

 「・・・・・・・・・お前、・・・その腕はなんだ?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです」

 「何?」

 神田はギラッと門番を睨み、

 「門番!!!」

 と大声で叫ぶ。その声にアレンも反応した。門番は神田の大声にビク、と体を震わせ、震えた声で言った。

 「いあっ、でもよ。中身わかんねぇんじゃ、しょうがねェじゃん! アクマだったらどーすんの!?」

 「僕は人間です!確かにチョット呪われてますけど、立派な人間ですよ!!」

 アレンは門番に駆け寄り、ポカポカと叩く。

「ギャアアアア、触んなボケェ!!」

 ギャアギャア、アレンと門番が騒いでいるなか、神田は自分の刀を触り、冷たく言う。

「ふん・・・まあ、いい。中身を見ればわかることだ」

 そう言うと神田は刀を構え、

 「(対アクマ武器発動!!)この『六幻』で斬り裂いてやる」

 そう言うと、黒色の刀———六幻に光が灯った。


 〆 7月15日