二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜 こめんと募集中! ( No.278 )
- 日時: 2012/09/12 21:05
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
第18粒「土翁と空夜のアリア①」
『古代都市 マテール』
今はもう無人化したこの町に亡霊が棲んでいる———。
調査の発端は地元の農民が語る奇怪伝説だった。
亡霊は、かつてのマテールの住人。
街を捨て移住していった仲間達を怨み、その顔は恐ろしく醜やか。孤独を癒すため、町に近づいた子供を引きずり込むと云う。
* * * * *
———ゴオオオオオ。
汽車が来る音が聞こえる。
「あの」
上空を跳びながら、アレンが資料を片手に見ながら言う。
「ちょっとひとつわかんないことがあるんですけど・・・」
「それより今は汽車だ!!」
神田が言う。
今はちょうどトンネルを跳び越えた辺りだった。
「お急ぎください、汽車がまいりました」
「でええっ!? これに乗るんですか!」
今まさに、汽車が真下を通る途中。
ファインダーが言う言葉に驚くアレン。まあ、ふつーはそうだよね・・・。
そんなことをしているうちに、
———ダン!!
汽車に飛び降り、着地。。
それについて、アレンのコメント。
「飛び乗り乗車・・・」
心なしか、その声はとても低いように感じた。
「いつものこと」「いつものことでございます」と、あたしとファインダーの声が重なる。
でもまあ、最初はあたしもそう思ってたけど・・・・・・慣れちゃった、うん。
「困りますお客様!」
聞こえてきたのはこの汽車の車掌さんであろう、男性の声。
そのときちょうど、あたし達全員が汽車の中に入り終えたときだった。
「こちらは上級車両でございまして、一般のお客様は二等車両の方に・・・。ていうかそんなところから・・・」
突然現れた変な集団にびっくりしておどおどする車掌さん。
はい、ここでお決まりのセリフ。を、ファインダーの人が言う。
「黒の教団です。一室用意してください」
「! 黒の・・・!?」
と言い、車掌さんはあたしたちの団服のローズクロスを見ると
「か、かしこまりました!」
ペコリと頭を下げ、ぱたぱたと走っていった。
「何です、今の?」
今回が初任務なので、この光景に驚くアレン。そこにファインダーが説明。
「あなた方の胸にあるローズクロスは、ヴァチカンの名においてあらゆる場所の入場が認められているのでございます」
「へえ」
とアレンが呟いた。
胸にローズクロスのある団服(コート)は、戦闘用に造ってあるのでかなり丈夫。この団服は、エクソシストの証でもある。
「ところで」
後ろの荷物を背負い直しながら、
「私は今回、マテールまでお供する、探索部隊(ファインダー)のトマ。ヨロシクお願いします」
口に包帯を巻いていて、常に敬語(アレンみたい)の礼儀正しいファインダー、トマと、あたしたちは互いに握手を交わした(もちろん神田以外)。
〆 9月12日